旅行などでシンガポールからマレーシアへ移動するときは、どのような交通機関で移動することが多いでしょうか。ご存じの方も多いと思いますが、シンガポールとマレーシアは陸路で国境を越えることが可能です。私は、普段フライトを利用して、マレーシアへ移動することが多いですが、今回は旅行日程に余裕があったため、陸路を利用してマレーシアに入国してみることとしました。今回はその様子を合わせて、陸路での移動方法について紹介します。
目次
シンガポールからマレーシアへ陸路で渡る
シンガポールからマレーシアへ移動する場合、以下のようなパターンが多いのではないでしょうか。
- シンガポールに観光で数泊滞在した後にマレーシア側へ移動する
- シンガポールにフライト等で到着後、マレーシア側へ移動する
いずれの場合にせよ、首都クアラルンプールを目指すのであれば陸路で進むよりはフライトで移動する方が時間効率的に楽だと、私は思いますが、マレーシアの南部にある都市(ジョホール・バルやマラッカ)に行きたい場合には、陸路の方が好都合な場合も多いです。
陸路でマレーシアへ入国する場合にはいずれにせよ、シンガポールとマレーシアの国境にあるウッドランドチェックポイントへ向かうことになります。
※シンガポール・チャンギ国際空港からは、マレーシアのジョホール・バル行きの高速バスが出ています。私は利用したことありませんが、そちらを利用してみるのも選択肢としてはアリでしょう。
まずはシンガポールのクランジ駅へ行こう
まずは、シンガポールとマレーシアの国境沿いにあるノーザンラインのクランジ駅を目指しましょう。シンガポールの中心部であるブギス周辺からクランジ駅までは、若干の乗り換えがあるものの、電車で約1時間で移動できる距離にあります。
シンガポールの地下鉄を利用する場合、観光客用の切符であるスタンダードチケットで移動する方法もよいですが、EZ-LINKカードを購入するのも良いかと思います。
購入価格は12SGD(カード購入費5SGD、チャージ額7SGD)=約960円となるため、先のスタンダードチケットよりは高い金額となってしまうのですが、後ほど乗車する路線バスの利用にはほぼ必須のカードです。なぜなら、
- 路線バスは地下鉄で購入できるスタンダードチケットに対応していない
- 路線バスは現金での乗車も可能だが、お釣りが返金されない
- EZ-LINKなら乗降時は車内のカードリーダーにタッチするだけでOK
このような理由から、とりあえずEZ-LINKカードを購入しておくことをお勧めします。ちなみに、このカードは地下鉄各駅の対人窓口で購入することができます。わからなかったら、窓口の人に聞いてみましょう。
入国ステップ1 国境横断路線バスに乗車する
シンガポールからマレーシアへは複数の国境横断バスが走っています。その中で今回は路線番号170Xを利用してマレーシアへ向かいました。170X以外にも複数の路線バスが国境を横断しており、それらに乗るだけでシンガポールからマレーシア側へ陸路で移動することができます。
乗車場所は、シンガポール側のノーザンライン(Nothern Line)にあるクランジ駅(Kranji St.)から乗車します。クランジ駅(Kranji St.)の改札を出ると、マレーシアのジョホールバル行きのバスに乗る人たちが大勢いるので、初めてでも大体なんとなくわかるでしょう。ただ、念のためにも路線バス番号だけは、170Xや160などの番号を事前に調べておくのが確実です。
私は今回長期旅行ということもあり、トランクを持ち込んで、バスに乗車しました。ただ、ほかの乗客のほとんどはショルダーバックか手ぶらなどの非常に軽装で来ている人ばかり。
旅行者なのか近隣に住んでいてちょっと買い物がてら国境を越えているのかどうかは不明なのですが、周りの人に雑談がてら聞いてみたところ、現地の人にとって毎日国境を越えることは日常的な手続きとなっている模様です。
入国ステップ2 シンガポールの出国手続き
170Xのバスに乗って15分程度でウッドランドチェックポイント(Woodlands Checkpoint)に到着します。ウッドランドチェックポイント(Woodlands Checkpoint)とは、簡単にいうと出国手続きをする税関のことです。空港にある出国手続きと全く同じもの。乗客全員が一斉に降りていくので、その流れに従って動けば全く問題はないでしょう。
なお、シンガポールでは、バスの料金を支払うために使うEZカードがありますが、こちらを利用している場合には、必ずEZカード用のパネルにタッチしてから降りましょう。皆全員やっているので、自然と気づくかと思いますが念のため。
バスを降りたあとは、出国手続きをするために税関の建物へ入ることとなります。もちろんイミグレーション(Immigration)の建物内は撮影が禁止されているため、写真は一切撮れません。
ただ、出国審査の列は空港の手続き同様、現地在住者(マレーシア在住者、シンガポール在住者)とその他すべての旅行者に区別されています。観光で訪れている場合には、オールパスポート(ALL Pasport)の表示が示される列に並びましょう。
まとめると、以下のとおり。
- ウッドランドチェックポイント(Woodlands Checkpoint)で出国手続きのためバスを降車
- EZカードを降車時にパネルへタッチする
- オールパスポート(ALL Pasport)の列に並ぶ
なお、出国審査時に出国審査官から何か聞かれるか心配になる方もいるかと思いますが、観光での横断の場合は大抵何も聞かれません。せいぜい”For what?”(何のために?)や”How long?”(どのくらいの期間?)とマレーシアを訪れる理由や期間などの極々一般的な質問を聞かれる程度なので、安心してください。
出国審査後は、再度同じ路線番号(私の場合は170X)のバスに乗車します。あまりにもたついていると、とっとと先に出発してしまうため、手続き後は速やかにバスに乗ることを推奨しておきます。
入国ステップ3 JBセントラルでマレーシア入国手続き
ウッドランドチェックポイント(Woodlands Checkpoint)の出国審査後、バスに乗るとそのままJBセントラル(JB Sentral)のマレーシア入国手続所に到着します。シンガポール出国後~JBセントラル(JB Sentral)までは、日々通勤で利用する人も多く、出勤時や帰社時はひどく混雑する場合があるので、注意が必要ですね。
JBセントラル(JB Sentral)に到着すると、ここでも乗客全員が降りるため、EZカードをピッとタッチして降りましょう。ここでも、マレーシア入国手続きのために、パスポートの表示に従ってオールパスポート(ALL Pasport)の列に並べば大丈夫。
入国手続きの際も、入国審査官から(大抵の場合)特段質問は飛んできません。手続きを済ませて、そのまま抜けるとJBセントラル(JB Sentral)の駅と繋がっているため、晴れてマレーシアへの入国が完了します。
シンガポールへ入国し、ジョホール・バルチェックポイントへ到着すると、そこには多数の売店が並ぶモール街となっています。小腹が空いている場合には、少しここらへんで休憩してみるのもいいでしょう。
以上をまとめると、
- 渋滞状況によりウッドランドチェックポイントからJBセントラルまで30分以上時間がかかることも
- JBセントラル(JB Sentral)では必ず降車する
- 降車時はここでもEZカードのタッチを忘れずに
- 入国手続きは出国時同様、オールパスポート(ALL Pasport)の列に並ぼう
- マレーシア入国後はそのまま自由に行動が可能
まとめ:陸路での移動は簡単。でも時間帯に要注意
日本にいるとなかなか陸路での出入国を体験できる機会は少ないかと思います。マレーシアへは飛行機を利用して入ることもできますが、ジョホールバルを経由するプランもなかなか面白いと思います。
陸路での入国手続きは、決して難しいものではなく、普段のフライトでの出入国と手続き上は全く同じものです。ただ、初めてだと戸惑うポイントも多いので、一度簡単にでもいいから調べておくと、安心感が全く違うのではないかと。
私も今回、日中の比較的空いた時間帯で出入国したこともあり、非常にスムーズにマレーシアへ入国することができました。混雑具合だけは読みづらい部分があるため、その点だけには注意して安全な旅を心がけましょう。以上、ご参考まで。