タワーマンションに潜む6つのデメリット

マイホーム探しをしている際に、必ず出てくるタワーマンションという存在。すでにマイホームを購入された方も、これからマイホームを購入することを検討されている方も、買い替えを検討されている方も、「タワーマンションに一度は住みたいな」と心のどこかで思ったことはあるのではないでしょうか。私自身、マンション購入の検討過程で散々悩んだ挙句、結局タワーマンションには手を出さなかった人間の1人ですが、その検討過程で辿り着いたタワーマンションのデメリットをご紹介します。

タワーマンションに潜む6つの事実

その1 結局使わない共用施設

豊富な共有施設に魅了される人々

タワーマンションの中には、以下のような施設が用意されていることが多いですよね。

  • 豪華なエントランス&ウェイティングスペース
  • ジムのトレーニング施設
  • 応接セット
  • 図書室
  • ゲストハウス
  • 託児所
  • スカイラウンジ/バー

最近のタワーマンションはその共有施設の充実度を売りにしているケースも多いです。物件によっては、豪華な屋内プールなどを備えたマンションもあります。

フロントには住民の様々な要望に応えるコンセルジュが24時間待機し、にこやかな笑顔で出迎えてくれることも。季節によって管理組合などが主催する様々なイベントが行われたりなど、タワーマンションならではのメリットが沢山あるでしょう。

実際のところ共有施設の利用機会は少ない

ただ、いかんせん、これらの共用施設って実際のところ利用しないケースが多いんですよね。

ゲストハウスがあると言っても、父母の両親が家に来ても部屋の中に泊めるケースが多いでしょうし、敢えてゲストハウスを利用するのは年に1回あるかないかではないでしょうか。ジムの設備も入居後すぐならまだしも、1年後も継続して利用しているでしょうか。

極めつけは、新築ならまだしも、住んで20年した時代遅れの共用設備となったときに、なおもその共有施設をあなたは利用するでしょうか。

その2 修繕費が全く足りない

マンションの住人は管理費と修繕積立金を負担する

マンションに住んでいる人は管理費と修繕積立金を毎月支払う必要があります。この修繕をするための修繕費をまかなうための修繕積立金が全く足りなくなるケースが多いのが、タワーマンションの特徴です。

タワーマンションは新築販売時には、販売員の方からこんな説明を受けることが多いでしょう。

販売員「このマンションはタワーマンションなので、たくさんの戸数があります。たくさんの方々で費用を負担し合うので、1戸あたりの費用負担がお安くなっています」

管理費が高いタワーマンション

タワーマンションは共用施設の充実度も異なりますので、その管理費もだいぶマンション毎に違います。不動産コンサルタントとして著名な沖有人氏がこちらの記事で、高層マンションほど管理費が上昇する点を指摘しています。

賢い人は避けている「マンション管理費」5つの罠

階数が40階建に及ぶタワーマンションの場合、㎡単価がおよそ250円ほどとなります。70㎡位の住戸であれば、月額15,000~20,000円といったところが標準的な管理費の相場ということとなりますね。もちろん高級住宅地のプレミアムマンションともなると、月額30,000円もの金額になることも。

低階層のマンションでは㎡単価は200円ほどですので、他のマンションと比較するとタワーマンションの方が1.25倍ほど管理費が高い計算になります。

値上がりしていく修繕積立金

新築当初は修繕積立金の水準は、90円/㎡という水準で販売されることが多いタワーマンションですが、国土交通省のガイドラインによると210円/㎡の金額が修繕積立金の標準的な水準として定められています。

段階増額積立方式(段階的に修繕積立金を増額して目標金額まで貯めていく方法)で設定されることが多いタワーマンションの場合、修繕積立金は時間の経過でどんどんと増えていきます。

仮に購入時に修繕積立基金として36万円を一括徴収したとしても当初6,000円だった修繕積立金は5年後には9,000円、15年後には15,000円と上昇していき、25年後には21,000円の水準へ増加していきます。

※ 国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(2011年4月)

その3 エレベーターが足りない

共用施設を使わなくてもOK、修繕費が高くなったとしてもOK、という人でもエレベーター不足にはイライラしてしまうかもしれません。

マンション住戸のエレベーター数については諸説ありますが、標準的な数として以下のようなものが適切と言われることが多いです。

  • 50戸に1基(タワマンは100戸に1基)
  • 1フロアにある戸数=エレベーターの戸数

エレベーターの数は管理費にも直結するため、この辺は悩ましいところですね。

エレベーターが混みあうのは朝の通勤・通学時間帯。途中階の人はエレベーターが混みあって乗れない、なんてことは稀でしょうが、エレベーターがなかなか来なくてイライラするのもあなたは許せるでしょうか。

その4 高層階では強風のため、洗濯物は干しづらい

通常のマンションとは異なり、タワーマンションの高層階は風が非常に強いことで有名です。マンションによっては、そもそも窓が開けられない場合も。マンションの管理規定でそもそも洗濯物の外干しを禁止している場合もあります。

一方で、洗濯物が外干しできないため、部屋内には浴室乾燥機で代用するケースも多いようです。

こればっかりはタワーマンションの宿命とも言えるので、部屋干し対応で過ごすか、浴室乾燥機等をうまく活用するかのどちらかしかないでしょう。

その5 大地震のときは大変不便なタワーマンション

大地震のときエレベーターは動かない

東日本大震災の際には、マンションのエレベーターは非常停止したため、階段を利用した、という体験をした人も多いのではないでしょうか。高層階の住民の場合、自宅へ戻るためには階段を利用することとなり、大変な労力が必要となります。

また、買い物等で外出をしなければいけない場合、外出するだけでも相当の労力が必要となりますが、買い物から戻ってきた際には重い荷物を持った状態で階段を利用することとなってしまいます。

もちろん非常用エレベーターが備え付けられている場合やすぐに専門技術者による点検で復旧する場合もあります。しかしながら、東日本大震災のような超大型地震の場合、人手が全く足りなくなるのはもちろんのこと、毎日のように起きた余震でエレベーターが何度も停止することとなります。

強風で揺れるタワーマンション

超高層マンションの上層階は、地震により揺れていなくなくても、強風などで揺れることがあります。免震構造の建物はアイソレーターと呼ばれる積層ゴムの免震装置で、地面と建物を絶縁しています。

地震の際には、その効果が強く発揮されることとなりますが、一方で強風が吹くと免震構造でない超高層マンションよりも揺れが大きくなる特徴を持ち合わせています。

※ 免震装置:「アイソレーター」という部材を入れ、地震時の地盤の揺れをなるべく建物に伝えないようにする仕組み。アイソレーターは、板上のゴムと鉄板を何枚も重ねたもの。

また、東日本大震災ではしばらく余震が続きました。免震装置は大きな揺れを建物へ伝えることはないのですが、緩やかに余震の揺れを長時間伝えるため、超高層マンションの上層階は船酔い状態になってしまった住戸もあったようです。

免震装置、制振装置のメンテナンス費用は長期修繕計画に含まれているか

タワーマンションには地震の揺れを軽減させる免震装置(アイソレーター)が設置されていることが多いです。非常に高さのあるタワーマンションですが、この免震装置があることによって、地震の揺れを相当程度軽減させる効果があるのは前述したとおりです。

タワーマンションをチェックする際には、免震装置、制振装置のメンテナンス費用が長期修繕計画に組み込まれているか、確認しておくべきでしょう。免震装置の耐用年数は60年と言われることが多いですが、あくまでそれはマンションの耐用年数に合わせて設定されている、との見方もあります。

仮に、大地震やその余震等で免震装置が破損した場合、免震装置であるアイソレーターの 工事費用は億単位の金額になると言われています。ほとんど日本に前例はないのですが、耐震偽装問題で一躍有名になった東洋ゴムの場合、対象となった154棟のマンションの免震装置交換費用が140億円と言われました。およそ1棟あたり1億円の費用ということで、決して無視できる金額ではありません。

その6 売却時に困るタワーマンションの資産価値

充足気味のタワーマンション事情

最後は資産価値に関する事実です。ここ2010年~2013年で都内湾岸地域を中心にタワーマンションが大量供給され、都内のタワーマンション需要はかなり充足される域にまで達しました。

タワーマンション購入者の多くが、住居用として購入した訳ではなく、投資用/相続税対策としての購入者も多いのが湾岸タワーマンションの特徴です。

投資対象としてのタワーマンション

投資用としてタワーマンションを購入した人の場合、マンションの資産価値の中長期的な維持向上という考えは薄いことが多いと言えます。彼らの多くが気にしているのは、マンション価値のキャピタルゲインとなります。

投資用購入者は、東京オリンピック前に売り抜ける戦略をしている人が多数と言われており、オリンピック後にタワーマンションが投げ売り状態になることも懸念されています。最悪の場合、マンション価格が暴落するリスクも孕んでいる点は十分注意すべきでしょう。

もちろん一般的に立地条件の優れた利便性の高い(住居として価値の高い)タワーマンションもあります。そういった物件の場合には、例外的に資産価値が暴落する懸念は薄いなのは間違いありません。

まとめ:タワーマンションはそれでも人気?

タワーマンションはその眺望の良さや設備の豪華さ、タワーマンションに住んでいるブランド力など、庶民を魅了するメリットが複数あるのも事実です。一方で、現実的にはデメリットも多数あり、住んでから大きな支障を引き起こすものもあります。

洗濯物が干せない点や上層階と低層階で所得格差がある点などは正直、個人的にはあまり気にしない話ですが、ライフプランニングの観点でタワーマンションを見ると、コンスタントに掛かってくるランニングコスト(管理費・修繕積立金)が増加する傾向にある点や2017年4月以後契約するタワーマンションについては固定資産税の扱いが異なる点があり、あまり楽観視したライフプランは組めないかと思います。

決してタワーマンションを否定するつもりはありませんが、検討する際はデメリットを十分吟味した上で考えてみましょう。以上、ご参考まで。

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