今回は久しぶりにANAマイルを使って特典航空券を発券したので、紹介したいと思います。発券に至るまで、いろいろと紆余曲折があったのですが、これはこれで満足行く旅程が組めたので個人的には満足しています。また、初のタイ国際航空ファーストクラスというのも楽しみたいですね。
目次
ルーティング
・諸費用 約8,000円
・航空会社 タイ国際航空
・ルート:HND-BKK-SIN-BKK-HND
・往路①:羽田~バンコク Boeing 747 ファーストクラス
・往路②:バンコク~シンガポール Boeing 787 ビジネスクラス(ロイヤルシルク)
・往路③:シンガポール~バンコク Boeing 773 ビジネスクラス(ロイヤルシルク)
・復路②:バンコク~羽田 Boeing 747 ファーストクラ
当初は、ビジネスクラスでバンコク、シンガポールを結んで三角フライトを予定していたものの、シンガポールからの帰国便が日曜日ということもあって、直通便の特典航空券が全く取れないという状況に陥りました。
すでにホテルを見切り予約してしまっていたこともあり、出発日が刻々と近づく中、タイ航空のファーストクラスが比較的空席が目立つことを活用しての予約に変更した次第です。
普段ファーストクラスは機材変更等によるダウングレードの可能性もあるため、また必要マイル数も多くなるため、予約はしないのですが、今回は出発日が近いことやタイ航空のファーストクラスを体験したことがなかったこともあり、発券することとしました。
特典航空券予約のポイント
今回、特典航空券予約には色々と気を使ったポイントがあり、主だったものを紹介したいと思います。
実はアジア周遊プランはかなりお得
ゾーン制を採用しているANAマイレージクラブ
ANAマイレージクラブでの特典航空券(国際線)はゾーン制を基本的に採用している。”基本的に”と記載したのは、Round The World(世界一周特典航空券)は距離制で必要マイルが決定できる例外的なルールが採用されているためです。
今回はゾーン制で必要マイル数が決定されますが、ANAマイレージクラブの場合、
- 国際線往復2区間で特典航空券を取る場合
- 国際線往復2区間以外に国際線の区間が含まれる場合
で必要となってくるマイル数が変化してくるルールとなっています。これはすなわち、”海外目的地との単純往復かどうか”で必要マイル数を参照するマイレージチャートが違うということですね。
バンコク・シンガポールはアジア2に属する
バンコク、シンガポールはANAが規定するゾーンにおいて、アジア2に属しています。そのため、特典航空券に必要なマイル数は、
単純往復の場合(羽田~バンコクまたは羽田~シンガポール)
- エコノミークラス:往復35,000マイル
- ビジネスクラス:往復60,000マイル
- ファーストクラス:往復105,000マイル
と規定されています。元々ANAマイルは、他社マイレージプログラムと比較してもお得に予約できることが多いと言われていますね。ビジネスクラスが往復60,000マイルで予約できるあたり、そもそもの利便性は高いと思います。
ただし、ANAマイレージクラブは片道発券をする際には往復相当のマイル数が必要となってきます。すなわち往復での発券を前提としているため、片道発券ができないという感覚に近いですね。
アジア周遊の場合(羽田~バンコク~シンガポール~羽田)
- エコノミークラス:往復38,000マイル
- ビジネスクラス:往復63,000マイル
- ファーストクラス:往復114,000マイル
先の例と見比べてみるとわかると思いますが、アジア周遊発券の場合は目的地往復の必要マイルに+3,000マイル(ファーストクラスは+9,000マイル)を加算するだけで発券することができます。
今回の例で言うと、バンコク~シンガポール間のフライトが+9,000マイルで発券できたことになります。
機材は2階建て超大型機材のボーイング747
今回は超大型機材のボーイング747をチョイス。また、ファーストクラスは9席(または10席)という贅沢過ぎる仕様。滅多に乗れないファーストクラスということで、中距離圏であってもたっぷりと楽しみたいと思います。
バンコクーシンガポール間はビジネスクラスですが、2-3-2の配置と2-2-2の配置両方が楽しめるように今回は旅程を組みました。
この形は、ヘリンボーン式と呼ぶのかどうかちょっと微妙ですが、JALのスカイスイートⅢやキャセイパシフィック航空などが採用しているヘリンボーン式のビジネスクラスのような雰囲気を想像できます。
ANAマイレージクラブの特徴
今回は、日本人でもユーザーの多いANAマイレージクラブによる発券をした訳なのですが、特典航空券の発券にはいくつかの特徴的なルールがあります。
特典航空券は地方発も可能
地方ユーザーにありがたい点として、特典航空券は地方発着とすることが可能なことが知られています。さすがに目的地以外で途中降機(ストップオーバー)をすることは難しいのですが、24時間の滞在を楽しみつつ、海外旅行も合わせることができるため、利便性は高いと言えます。
途中降機(24時間を超える滞在)日本発・海外発ともに途中降機は、目的地以外に往路・復路いずれか1回可能です。乗り換え日本国内で往路・復路各2回まで可能です。さらに、日本以外で往路・復路各2回まで可能です。
※目的地は乗り換えの回数に含みません。
※地上移動区間がある場合は、両端の都市を合わせて1回のお乗り換えと数えます。
※途中降機は乗り継ぎ回数に含まれます。
(ANA提携航空会社特典航空券、注意事項より)
シンガポール航空の一部機種は特典航空券を開放していない
提携航空会社特典航空券では、他社が解放している特典枠を予約することとりますが、シンガポール航空に関しては一部機種については特典枠を開放していないことが知られています。
シンガポール航空の一部機種(A350-900、A380-800、B777-200ER (retrofitted)、B777-300ER)では、スイートクラス・ファーストクラス・ビジネスクラスをご利用になれません。
(ANA提携航空会社特典航空券、注意事項より)
羽田発及び成田発のシンガポール航空便では、いずれもボーイング777またはエアバス350での運航となっています。そのため、ANAマイレージクラブを使って東京~シンガポール間のシンガポール航空ビジネスクラス以上を予約することはできません。
(ボーイング787などのANAコードシェア便は機材が異なるため予約は可能となっています)
結局、東京~シンガポール間の直行便はANA便を利用するか、シンガポール便のエコノミークラスを利用するかしか選択肢がない、という状況です。
提携航空会社特典航空券は空席待ちができない
ANAのマイルの使い方として、国内線の特典航空券、国際線のANA便特典航空券、国際線の提携航空会社特典航空券はそれぞれ異なるルールが採用されています。その中でタイ航空など他社を利用するのは提携航空会社特典航空券であり、この発券方法では空席待ちができません。
(空席待ち)
空席待ちはお預かりできません(ANA便含む)。
すべての区間の特典予約がお取りできていることが必要です。
(ANA提携航空会社特典航空券、注意事項より)
すべての区間の特典予約が取れる前提でないと、発券できないため往路復路含めたスケジュール調整が必須となってきます。
ANAの一般会員は元々特典航空券解放枠が直前にならないとマイルで予約できる座席数が増えません。そのため、旅程の一部にANA便の利用を予定している場合には予約が難しくなってくることは否めないでしょう。
また、ANA上級会員であっても一度にすべて特典枠を確保する必要があるため、一般会員ほどではないにせよ、予約が非常に難しいのは確かですね。
ただし、発券後の日時に限った予約変更は可能なため、一度路線を確定させた上で予約便の変更を行うという作戦も有効かもしれません。
(発券後の変更)
航空券の有効期間内で、ご搭乗日ならびに便の変更が可能です。
【受付期限】 ご搭乗希望便出発の96時間前まで承ります。
※ANAウェブサイトでの変更は、航空券が未使用である場合に限り、一律旅程の第一区間の96時間前まで承ります。
(ANA提携航空会社特典航空券、注意事項より)
いずれにせよ、今回の場合はシンガポール~東京間がすべてANA便またはコードシェア便であったことから、直前になってもビジネスクラス特典枠が解放されず、やむなく別ルートを検討した次第です。
どうしても予約が取れない場合は・・・
どうしても予約が取れない場合はいくつか予約の仕方を工夫する必要が出てきます。例えば、
・出発4日前のギリギリまで待ってみる
出発ギリギリになればなるほど、特典航空券の予約枠は解放されていく傾向にあります。あくまで有償航空券の埋まり具合によるため、必ず上手くいくかはなんともわからないのが難しいところですが。
特に、シンガポール線のような人気路線はアップグレード待ちや空席待ちをしているANAユーザーがそこそこいるため、土曜帰国、日曜帰国の便は非常に取りづらいと言えます。
筆者もこの方法で粘ったものの、出発1週間前まで経っても結局、空席は解放されませんでした。残念。
・予約ができない区間に別の搭乗クラス(ファーストクラス、エコノミークラス)で代替する
ビジネスクラスで予約しようとしている場合には、別の搭乗クラスを検討してみるのもよいでしょう。ビジネスクラスが満席だったとしても、ファーストクラスやエコノミークラスが空席となっている場合が度々あるからですね。
特に、直前で発券できる場合には、他社便のファーストクラスが解放されているケースが多い傾向にあります。アジア圏のスターアライアンスでは、ファーストクラスは、
- 東京~シンガポール:ANA便
- 東京~シンガポール:シンガポール便 ※ANAマイレージクラブでは予約不可
- 東京~バンコク:タイ国際航空便
の3路線しか設定がありません。そのため、せっかく乗る機会があるのであれば、予約してみるのもいいのではないでしょうか。今回はそういった動機からファーストクラス発券に至った次第です。
ちなみに、ワンワールドでは、キャセイパシフィック航空の東京~香港便があります(ただし、2019年現在の情報ですと短距離路線のファーストクラスは廃止していく方向で動いているようです)。発券ルールが異なることもあるため、必ずしもお得かどうかは検討できていませんが、アジア圏のファーストクラス設定が希少なのは間違いありません。
また、一方でエコノミークラスで予約する場合は必要マイル数は減らせるというメリットがあります(マイル単価は一般的に減少することとなります)。一般的に長距離路線ほどビジネスクラスの予約が難しくなる傾向があるため、エコノミークラスでは多少つらいことが想定されますが、あくまで選択肢の一つとしては参考になり得るのではないでしょうか。
・復路便を別日程の旅行で予約する
最後はこれですね。直前ギリギリまで待つことにより、往路は希望通りの日程で発券ができる場合が多いと言えます。ただ、日程の離れた復路は希望となる搭乗クラスや時間帯で発券ができない場合もあるため、復路便を別の離れた日程で予約することで特典航空券全体の席を確保する方法があります。
この場合、本来の復路便が確保できないため、別のマイレージプログラム(JALやブリティッシュエアウェイズのAviosやユナイテッド航空など)で復路を片道発券するプランが現実的でしょう。仮に出発後であっても、復路の日程ギリギリまで待てるため、何かしら希望の予約ができる場合が多いです。なお、有償で航空券を直前に購入することは、価格的に全くお得でないので注意したいですね。
まとめ:お得にアジアを旅しよう
今回はファーストクラスを組み込んだ豪華な旅程としてしまいましたが、本来はビジネスクラスでアジアを往復するルートを当初想定していました。ビジネスクラスの場合、フライトが1便以上増えても63,000マイルで発券することが可能であるため、マイルの節約という意味も含めて非常に利便性は高いと言えます。
ただ、一方で今回特に感じたのが特典航空券の取りづらさでした。直行便の予約が取りづらく、出発直前まで待ってみたが往路はまだしも、復路は不便で遅延の多い中国乗換、エアチャイナやアシアナ航空などの燃油代の高い航空会社という選択肢ぐらいしか残っていませんでした。
悩ましい使い道のANAマイル。また、別のお得な使い道があれば、別途紹介していこうと思います。以上、ご参考まで。
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