ジャランスリワヤの革靴を買ってみた

2018年の秋頃、グッドイヤーウェルテッド製法の革靴で、なおかつ比較的安価なブランドのものはないかな、と探していました。そもそも男性用紳士靴の価格相場はかなりピンキリで、安いものは5,000円未満でも十分手に入れることができますし、高いものは10万円超えでも最近は珍しくありません。今回は3万円代で入手できるジャランスリワヤを購入することにしました。

ジャランスリワヤとは?

まず、”ジャランスリワヤ”とはどんなブランドなのか、簡単に解説します。

1919年にテデ・チャンドラによってインドネシアで創業した靴工場JALAN SRIWIJAYA(ジャラン スリウァヤ)は、オランダの植民地であったことから外国人向けのミリタリーブーツを手掛けていました。その後、経営者の息子ルディ・スパーマンが「これからは平和の時代だ」という想いから、靴の聖地であるイギリスのノーザンプトンで修行を積み、フランスで皮革の生産を学び「ハンドソーンウェルテッド製法」での靴作りも可能にしました。そして2003年に待望の「JALAN SRIWIJAYA(ジャラン スリウァヤ)」ブランドが誕生するのです。

ジャランスリワヤ公式HP

はい、あまり細かい情報をお伝えしてもピンと来ないかと思いますが、インドネシアの革靴ブランドとなります。そして、大量生産するようなタイプの革靴ではなく、職人によって一つ一つ作成されるハンドソーンウェルテッド製法というのも特徴の一つかと思います。

ジャランスリワヤがお勧めされる理由

ジャランスリワヤがどうしてお勧めされるのか、それにはいくつか理由があるのですが、代表的なものを紹介したいと思います。

ハンドソーンウェルテッド製法

特徴のひとつが前述したハンドソーンウェルテッド製法ですね。こちらもジャランスリワヤHPに詳しく説明が書かれており、一部抜粋します。

ハンドソーンウェルテッドはビスポークシューズによく用いられておりグッドイヤーウェルテッド製法の原型ともなる製法です。19世紀後半にグッドイヤーウェルト製法が開発されて以来、時間と労力がかかり大量生産には向いていないこの製法は、徐々に減少の一途を辿り、高度な技術をもつ職人も居なくなるにつれ、とても貴重な製法になってきました。

この製法は、最後のアウトソールの縫いのみを機械で行い、あとの工程はすべてハンドメイドで作られています。最大の特徴は手縫いでなくては不可能な、曲がった針を使って行う「すくい縫い」。熟練の職人によりアッパー、中底、ウェルトを松脂を擦り込んだ麻糸で縫い付けていきます。グッドイヤーウェルト製法に使われる、リブと呼ばれるパーツを使用しない為、返りがよくとても軽い履き心地を味わうことができます。

そして、構造上インソールの下側にウェルトを縫い付ける為のリブを掘るため、インソールの厚さは通常の革靴より厚いものを使用し、結果的に履きこむことにより足に沿って沈みが生まれパーソナルレベルでの履き心地の良さが実現されます。

ジャランスリワヤ公式HP

革靴に詳しくないとどのような工程で違いが出ているのかわからないかと思いますが、要約すると以下が主だったポイントです。

  • グッドイヤーウェルテッド製法と同じくソール交換を繰り返しできる製法
  • グッドイヤーウェルテッド製法よりも返りがよく軽い履き心地
  • 沈み込みにより高い履き心地となるグッドイヤーウェルテッド製法と同じく(それよりもさらに)高いパーソナルな履き心地

価格が比較的安価

前述したとおり、こちらの革靴はソールを何度も交換可能なハンドソーンウェルテッド製法(グッドイヤーウェルテッド製法の仲間)なのですが、一般的にこのハンドソーンウェルテッド製法・グッドイヤーウェルテッド製法の革靴は、ウェルトおよびソールの縫い合わせを人の手で行わなければならず、高価であることが知られています。

MEMO
グッドイヤーウェルテッド製法は”人の手”で生産されますが基本的にウェルトやソールの縫い付けを機械(ミシン)で対応しています。一方、ハンドソーンウェルテッド製法は、ソールはミシンを使用することが多いと最近は言われていますが、ウェルト部分を手縫いすることになるため、より手のかかる製法であることは間違いありません。

海外のジョンロブやオールデンなどのグッドイヤーウェルテッド製法を用いている革靴は関税の影響も重なって、10万円超えとなっていることが通常です。

一方、関税の影響がない国内革靴ブランド(例えばリーガル)だと安いもので3万円代で入手することが可能です。こちらのジャランスリワヤはインドネシアの革靴ブランドですが、日本とインドネシアは経済連携協定もあって関税の影響はほとんどありません。そのため、国内百貨店等で3万円程度の価格帯で入手することが可能となっています。

ジャランスリワヤの革靴を買ってみた

前置きはこのくらいにしておいて、早速革靴を買いに行ってきました。

有楽町の阪急メンズ館へ

買った時期は2018年10月頃だったでしょうか。有楽町の阪急メンズ館で購入させていただきました。あまりこちらの百貨店を利用しないのですが、アメックスの百貨店ギフトカードが余っていたこともあって、そちらで一部を補充しつつ、20,000円はカード決済して、1,000円の商品券をいただくことができました。

この阪急メンズ館は、新宿のメンズ伊勢丹とは違って、結構お値段を現実的なライン(3~6万円)で揃えてくれてたりと割と実用性も兼ね備えた場所だと感じましたね。

ちなみに、インターネットなどでもジャランスリワヤは入手することができますが、試着できる百貨店などと比較するとあまり価格差がない印象を持っています。多少の楽天ポイントやAmazonポイントが付与されるのかもしれませんが、靴にとって非常に重要な試着有無ができる点を考慮すると、店舗での購入を強くお勧めします。

買った靴は黒ストレートチップ

ジャランスリワヤの靴を購入するのは初めてだったので、どこで購入すべきか悩みましたが、ネットでも店舗でも値段がほとんど変わらない靴なので、百貨店購入とさせていただきました。たしかお値段は当時33,000~34,000円あたりだったかと思います。

今回は、黒のストレートチップ、ソールはダイナイト仕様のものを選択しました。なお、レザーソールも用意されており、お値段は一緒でした。

履いてみた感想

購入時に一度試着したものの、やはり街中を歩いてみないとその履き心地はわかりません。後日、購入後に普段の仕事使いで履いてみたところ、なかなか個人的に好きな部類の履き心地となる革靴でした。

ダイナイトソールということで、足元は重厚感が若干出ますが、グリップ感の良さは私好み。

履き始めは若干皮の硬さを感じていましたが、こればっかりは育てる必要があり、しばし我慢の期間が続きます。

1年ほど履きこんでみた感想

1年後の状態はこんな感じ。

結局、1年間何も修理することなく履けてしまいました。1年間で履いていたペースは週2で仕事で利用。オフィス勤務でしたが、しばしば国内・海外出張もあり、色々と活躍していただいた記憶です。

日々のケアは基本ブラッシングのみ。2か月に1回、または出張帰りにフルメンテするくらいですね。

ソールはまだまだ健在という感じ。

1年経ったところで、まだリフト(踵部分のソール)を修理するラインまで到達していませんし、アッパーは健在です。このペースだと10年は余裕で保てそうですね。

かかと修理なしで1年、思っていた以上に減っていません。

1年で一度もかかと修理をしないとなると、オールソール交換は何年後になるのでしょうか・・・。オールソールする頃まで、ちゃんとアッパーも綺麗に保ちたいですね。

まとめ:思っていた以上に良コスパ

個人的に3万円台のグッドイヤーウェルテッド製法の革靴だと国内ブランドである”リーガル”と今回紹介した”ジャランスリワヤ”のどちらかがメインの選択肢になるかと思います。個人的にジャランスリワヤの質感を見ると、十分3万円以上の価値は出しているのではないかなと感じますね。

さすがに、高級靴に分類されるブランドではありませんが、決して安くはなくコストパフォーマンスに優れた一品だと思います。

一つ懸念すべき点があるとしたら、世界的な皮価格の値上がり、またインドネシアの人件費の高騰などにより靴そのものの値段が将来的に上がっていくことは避けられそうにないでしょう(もしくは、皮質や工程削減などのコストカットで品質を落とすことになるか)。品質のいい革製品はエイジングを楽しむことができますため、基本的にタイミングが合えば早い段階で購入しても損はない買い物と私個人は考えています。

もし、グッドイヤーウェルテッド製法(厳密にはハンドソーンウェルテッド製法)の革靴に手を出してみたい、と思うのであれば最初の一足としては良いのではないでしょうか。以上、ご参考まで。


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