今回も割と有名な話と個人的には思っていますが、ANAマイルを活用することで1回分の必要マイル数で海外旅行へ2回行ける方法が知られています。2ヶ所とも数日間のんびりゆっくりできるような、旅行向きの発券方法ではありません。旅行と言いつつ、ほとんどをフライトに時間を奪われるため、飛行機オタクか自営業の方など休みの融通が利く方向けの発券方法と言えます。
ただ、そうは言いつつもマニアの間ではかなりお得なルーティングであるため、将来的に改悪される可能性も高いルートであるとも言えます。あと1年もつか、何年もつかは定かではありませんが笑。
目次
ANAマイル乗継で海外旅行へ2回行く
ルーティング
・諸費用 約36,000円
・ルート①:羽田~香港~バンコク
・ルート②:バンコク~羽田
・ルート③:成田~上海~仁川~福岡
・予定機材(ルート①):ボーイング763(ANA)、エアバス330(タイ航空)
・予定機材(ルート②):ボーイング747(タイ航空)
・予定機材(ルート③):ボーイング788(ANA)、エアバス333(アシアナ航空)、エアバス321(アシアナ航空)
ANAのマイレージプログラムに詳しい方であれば、まぁよくあるルーティングのように見えるかと思いますが、初見だと???となってしまう可能性が高い奇妙なルーティングをしています笑。
ルート① バンコクへ行く
ルート①とルート②は比較的わかりやすく、単純なバンコク往復旅行となっています。ルート①の羽田~香港の間はANA便ではあるものの、エアジャパン運行の便であり、ポンコツ座席のシートとして有名な便となっています。
ルート② 日本へ戻る
ルート②のバンコク~羽田については、ファーストクラスで予約しているため、必要マイル数が提携航空会社特典であるアジア2往復の63,000マイルではなく、片道ファーストクラスとなる88,500マイルとなっています。
ルート③ 上海と仁川へ行って福岡へ戻る
ルート③で上海と韓国の仁川を巡る旅程となっていますが、こちらはいずれも滞在時間24時間以内の乗継扱いの旅程となっています。後述しますが、乗継を上手く活用することが今回の発券のポイントとなっています。
また最後の到着都市が福岡になっている点も発券のポイントですね。東京へどうやって戻るかは色々手段ありますが、JAL国内線で戻るのが簡単であるため、それを利用しようと思っています。
発券のポイント
ここからは発券のポイントを紹介します。ただ個人的な印象として、正直それなりにANAマイルの特典航空券を発券した経験がないと、このあたりの操作はやや難易度が高いかもしれません。
基本的にはメインの海外旅行+サブの海外旅行という考え方
まず旅行の立て方の考え方として、メインの海外旅行とサブの海外旅行という2つの旅行に分けて考えます。必ずしもそうする必要はありませんが、私のやり方としては比較的ルーティングを構築しやすいため、一度このように考えています。
今回のケースだと
- メインの旅行:ルート①とルート②のバンコク旅行
- サブの旅行:ルート③の上海&韓国旅行
というイメージです。
往路・復路それぞれの最初・最後の都市は経由できない
こちらはANAが規定する提携航空会社特典航空券の発券ルールのひとつとなります。
往路・復路それぞれの最初の都市、または最後の都市を経由するような経路となる地点を目的地にすることはできません。
今回、往路はルート①の「羽田~香港~バンコク」となっています。こちらは単純に香港を乗り継いでいるため、発券ルール上は問題ありません。
復路はルート②とルート③の「バンコク~羽田・成田~上海~仁川~福岡」となります。復路の最初の都市は「バンコク」、最後の都市は「福岡」であるため、こちらも発券ルール上は問題ないことになります。
仮に復路の最後の都市が「羽田・成田」である場合には、途中で「羽田・成田」を経由するため、発券できないこととなります。最後に東京に戻りたい場合は、最後の都市を「福岡」「関西」「名古屋」「札幌」などに設定して、別切りのチケットで東京に戻る必要があります。
ストップオーバーを日本国内で使う
こちらもANAの提携航空会社特典航空券のルールのひとつとなります。
途中降機(24時間を超える滞在)
日本発・海外発ともに途中降機は、目的地以外に往路・復路いずれか1回可能です。
途中降機=ストップオーバーと呼ばれますが、いわゆる複数都市の周遊旅行を計画している場合を想定したルールとなります。通常、ヨーロッパやアジアを旅行するときに、ロンドン+パリのような2都市を旅行するようなイメージの発券方法です。
今回のルーティングでは、バンコクを目的地にしていますが、上海、仁川については24時間の乗継となるため、ストップオーバーには該当しません。ストップオーバーとして活用しているのは、羽田・成田の帰国時が該当します。
すなわち、「東京~バンコク(目的地)~東京(ストップオーバー)~福岡」という旅程を発券しているに過ぎず、途中何か所かフライトの関係により他の都市で乗継している旅行と実態は変わりません。
サブの海外旅行は直行便で予約する
こちらにもANAが規定する提携航空会社特典航空券のルールがあります。
乗り換え
日本国内で往路・復路各2回まで可能です。さらに、日本以外で往路・復路各2回まで可能です。
※目的地は乗り換えの回数に含みません。
※地上移動区間がある場合は、両端の都市を合わせて1回のお乗り換えと数えます。
※途中降機は乗り継ぎ回数に含まれます。
このあたりも発券上、かなり難易度を上げるルールのひとつとなっています。今回のルーティングだと、以下のように乗継回数がカウントされることとなります。
- 往路・ルート①:羽田~香港~バンコク
日本以外で1回香港で乗継をします。ルール上は特に問題ありません。 - 復路・ルート②・ルート③:バンコク~羽田・成田~上海~仁川~福岡
日本国内だと羽田・成田でストップオーバー(途中降機)をするため、乗継回数が1回としてカウントされます。また、日本以外だと、上海、仁川で乗継をするため、2回としてカウントされます。ルール上の日本以外で2回以内の枠に入っているため、問題はないこととなります。
ここで何が発券のポイントとなってくるかと言うと、この復路であるルート③「成田(※)~上海~仁川~福岡」はいずれも直行便で予約しなければ、ルール上の乗継回数2回以下に引っかかってしまいます。そのため、必ずサブ側の旅行は直行便で予約する必要があります。
※今回の例だと厳密には日本国内でもう1回乗継が可能となります
昨今の特典航空券の取り易さは日に日に難易度が上がっており、直行便で予約する、特に週末付近や休日付近で予約するのは至難の業となってきています。
根気よく検索する
最後は根気よく検索することがポイントとなります。普通に検索したところで、まず上手く発券できません笑。
ユナイテッド航空のホームページで各便の空席確認をしたり、上海や仁川ではなく、ホーチミンやシンガポール、クアラルンプールなど他の都市で発券できないかルーティングを再考したり、根本として(アジア圏のバンコクではなく)シドニーなどオセアニア方面を目的地にしてルーティングを再考したりと試行錯誤が必要である発券であることは間違いありません。
ANAマイルの貯め方
さて、ここまで発券方法について述べてきましたが、そもそも発券するためのANAマイルをどうやって貯めるのかという話について簡単に述べておきたいと思います。基本はフライトで貯めるのが王道ではありますが、出張などがない人にとっても貯めやすい方法が存在します。
ただ、個人的には今からANAマイルを貯めるのは正直結構面倒くさいですし、貯めたところで(特にサラリーマンなど休日を柔軟に使えない方は)思うように特典航空券を発券できないというジレンマに陥るのではないかと感じています笑。
ポイントサイト経由からのLINEルート
2018年3月までのドットマネーを経由させたソラチカルートの代替手段として考案されたのが、LINEルートとなります。元々ポイントサイトからのソラチカルートを回してきた人にとってはそこまで負担感のあるものではありませんが、これから始めようとする方にとってはかなり難易度の高い方法と言えるかもしれません。
詳細は割愛しますが、
- Gポイントまたはポイントタウンにポイントを集める※1※2
- LINEポイントにポイントを移行する
- メトロポイントにポイントを移行する(0.9倍されます)
- ANAマイルにポイントを移行する(0.9倍されます)※3
※1 Gポイントへ移行できるポイントサイトとしてハピタス、モッピー、ちょびリッチ、ワールドポイントプレゼント(三井住友VISAカード)があります
※2 ワールドポイントプレゼントを経由させる場合、上記以外のポイントサイトからもポイントの移行が可能となります
※3 ソラチカカードを持っているとANAマイルとの移行比率が上がります
正直、ポイントを貯めるだけでも苦労する話なのに、移行も大変だと初心者にはかなり厳しいかもしれませんね・・・。
クレジットカードで貯める
比較的簡単に貯められる方法として、クレジットカード決済で貯める方法があります。もちろんそれなりの決済額が必要となってきますが、入会キャンペーンなどと併用すれば、そこそこ貯めやすい方法と言えます。
- ANAワイドゴールドカード:100円につき1.0-最大1.6マイル
年会費は約15,000-33,000円。継続ボーナス、フライトボーナスなどもあるため、比較的ANAマイルを貯めやすく、ANAマイル貯蓄用のクレジットカードと言って間違いないでしょう。クレジットカードも4大ブランドすべてあり、日常使いでも利用しやすい点もメリットとして挙げられます。 - SPGアメックスカード:100円につき1.25マイル
年会費は約33,000円。ホテル系列のクレジットカードの中で、現在頭ひとつ抜けているクレジットカードと言えます。ANAマイルだけでなく、JALや海外の航空会社へのマイル交換の他、高級ホテルの宿泊時にも活用できるため用途の多さが魅力的なカードですね。
ANAカードの中ではANAプレミアムカードなんかもありますが、年会費が80,000円前後~のクレジットカードになりますし、ダイナースだとANAマイルへの還元率2%と高還元率になりますが、年会費がおよそ167,000円と一般人の感覚からだいぶズレてくるため割愛しました。
SPGアメックスは2年度目以降、40,000-50,000円相当のホテル宿泊が無料となる特典が付くため、決して年会費が高いとは言えないのも特徴と言えます。アメックスブランドというのがイマイチですが、ホテル宿泊の多い私はこちらをよく利用しています。
ホテル宿泊で貯める
具体的には以下の記事を参照していただければと思いますが、最近はホテルに宿泊するだけで大量のマイルが貯まるホテル予約サイトが存在します。キャンペーンなどと併用すれば、ANAマイルだけでなく、ブリティッシュエアウェイズのアビオスを大量に貯めることもできたりするので、気軽に貯めるのであれば断然こちらですね。
まとめ:飛行機オタクOR自由な休暇が取れる人向け
今回紹介した旅程は、特に飛行機オタク向けな旅程と言えます。正直、サブの旅行は現地滞在時間が24時間以内という制約があり、空港到着からの移動、ホテル~空港間の移動、出国時のフライト手続きなどをすべて加味すると、実質数時間程度しか自由時間はないような気がしています。
そのため、旅行のほとんどの時間をフライトや空港滞在に充ててしまうことから、本当に飛行機オタク向けの発券方法と言えるのではないでしょうか。飛行機オタクの方には自信を持ってお勧めできますね。そうでないならば、まぁ別に無理して発券するメリットはないですが笑。
また、昨今のANA特典航空券は週末付近や祝日付近はほとんど空席がないような状態となっています。特に、日本出発便や日本到着便などそのほとんどが空席待ち状態となっており、とても自分の取りたい日程で予約ができる状態ではありません。もちろん中国の北京や大連などを乗継すれば、行ける場合もありますが、休暇が限られている人にとっては選択肢から除外したくなるフライトでしょう。
他のマイルも同様ですが、あまり貯めこんでいてもどんどん改悪されるのは明らかであるため、使うタイミングがあればジャンジャン使っていくのがベストかと思います。以上、ご参考まで。