普段はローカルのマッサージ店に行っても、ブログ記事にするようなことはないのだが、今回はちょっと色々困惑した経験を紹介する。
本日は、日頃の疲れや昨日までの移動の疲れを取るために、ローカルな店舗のマッサージを探しにクアラルンプールの街を歩いている。KLセントラル周辺には、マッサージ屋が多数あって、ブラインドマッサージと呼ばれる視覚障害者の方にマッサージを施術してもらえるお店が複数ある。今回は、その中でもマッサージステーションというお店に行ってきた。
目次
マッサージステーション
こちらのお店は、KLセントラルの駅近くに位置している。ざっと徒歩2~3分ほどだろうか。このマッサージステーションのお店周辺には、複数のブラインドマッサージ店があり、ここ以外にも選択肢はある状況だ。
ただ、この辺り一帯のエリア全体に言えることとして、あまり街が整備されていないことが挙げられる。その上、ビル周辺も雑居ビル群と化しているため、あまり清潔感が見られない。普通の旅行者であれば、多少値段が高くても清潔感のあるスパやチェーン系マッサージ店を選択した方が確実に無難だろう。
さあ、中へ入ってみよう。
入口は細く、中の階段を登っていく。このお店はビルの2階部分にあり、上っていくと看板を発見した。マレーシアにあるビル内で運営しているマッサージ店としては一般的な装いのように見える。ここまでは怪しい雰囲気は薄め。
入口は閉ざされているが・・・
さて、入口のドアを開けようと、ドアノブに手をかけたが・・・開かない。
別にこれは不思議なことではない。健常者の方が従業員として受付にいない場合、勝手に出入りされても困る、という観点から常にお店は施錠をしているのだろう。一瞬緊張感が増したが、インターホンを押して出迎えてもらう。
受付していただいたのは、もちろんブラインドの方。壁伝いに周りを触りながらこちらに向かってきた。私が、1時間のボディマッサージを受けたい旨を伝えると、個室へ案内され、服を脱いで待ってるようにと言われる。
服はどこまで脱げばいいのか
個室に入ると、そこには腰ほどの高さのベッドが1台置いてあり、その上にはバスタオルが置いてある。ベッド1台とわずかに1人分が通れるか位のスペースがベッドと壁の間には存在している。実際のところ、個室のほとんどのスペースはベッドのスペースで埋め尽くされていた。
受付してくれたブラインドの従業員の方はモゴモゴ喋った後に、とっととどっかへ行ってしまった。英語で喋ったのだろうが、全く聞き取れない。
おそらく意味としては、
- 「服脱いで待っててください」
- 「服着替えて待っててください」
- 「準備をして待っててください」
あたりだろう。マッサージ店なら極々一般的な流れとイメージする。
しかし、東南アジア(といってもタイ、シンガポールがそのほとんどだが)でマッサージを受ける場合は、大抵着替えが用意されている。用意された着替えに着替えることが一般的だ。なお、オイルマッサージを受ける場合はバスタオル1枚になることが通常であるため、素っ裸になることはある。
ただ今回は、ベッドの上にバスタオルしか用意されていない。オイルマッサージ的なものがこのお店のスタンダードなのだろうか。。。非常に悩む。。。全部脱いでよいのだろうか。。。
結局素っ裸になりバスタオル1枚で待機することに
色々と思考を巡らせてみた結果、素っ裸で待機してみることにした。相手がブラインドの方であることや、まぁ。。タイなどとは違って男性の施術士が多いのではないか、と店内の雰囲気から感じたためだ。
何か着ていた方が良ければその場で着替えればいいだけだし、外国人ということで勝手がわからなかった、という状況を察してくれてトラブルにはきっとならないだろう。とその場で考えた次第。
マッサージの施術士が部屋に入ってくる
数分後、マッサージの施術士が部屋に入ってきた。こんな感じの方。
- 義眼
- 20代前半~半ば
- Tシャツにキャップを被った非常にラフな格好
- 英語は上手く喋れない
第一印象は、超怖い!!!!
申し訳なかったね、自分はハンディキャップのある方に偏見はない、とずっと思っていたし、そういう気持ちも今まで全く感じたことはなかったので。
むしろハンディキャップの方は(国内外問わず)いい人が多い印象であったため、まさかこういう感情になるとは思っていなかった。
何が怖いって、本物の義眼ってこんなにも背筋が凍るタイプの怖さなのかと思い知った次第。目の焦点が全く合わない、かつ、言葉のコミュニケーションが彼の場合、上手くできないので、いろいろなものが重なったせいもあり、何かドキッとしたものはあった。
ただ、人相の怖い云々はマッサージと関係ないので、そのまま素っ裸のままマッサージを受ける。英語で、
私 ”I am naked now, is that OK?”
と聞くものの、なんだか英語なのか、そもそもOKなのか、よくわからない反応が返ってくる。NOっぽい雰囲気でもないので、そのままうつ伏せになって施術を開始してもらう。
マッサージの技術は流石!
結局のところ、60分の全身マッサージでボディオイル的なものを使ってのマッサージだった。俗にいうオイルマッサージだね。素っ裸だったのは正解だったようだ。
マッサージの上手さは今まで受けたマッサージの中でも1、2を争えるレベル。まぁ、1,2を争う別のマッサージもブラインドの方のマッサージだったので、個人的には大満足だ。
全体的に強めのマッサージなのだが、部分的に強弱が非常に上手いうえに筋肉の流れがはっきりとわかるせいなのか、健常者の施術士ではなかなか受けられないマッサージと感じた次第。
マッサージ中はリラクゼーションの音楽が流れているわけでもなく、英語でもないマレー語の謎のラジオが延々と流れている。時節、隣の離れた部屋の方から聞こえてくるスマホのアラームだったり、施術部屋の環境面は残念ながらかなり低レベルな状況にあり、リラックスは実はできていない笑。
お値段は1時間で50リンギット(約1,300円)
全身オイルマッサージのお値段は1時間で50リンギット(約1,300円)。1時間のマッサージを日本で受ければ、安いところで3,000円、標準的なマッサージ店であれば6,000円程度は掛かってくるかと思われる。
クアラルンプールの街自体、マッサージの料金はそこまで高くない。そのため、こちらの国では1時間100リンギット(約2,600円)だと若干高め、50リンギットなら結構お安い印象かなーといった具合だ。
マッサージ後はKLセントラルで夕食をいただく
マッサージ後は徒歩2分程度の距離にあるKLセントラル駅へ向かう。腹も減っていることだし、夕食も兼ねて。レストランでマレーシアのアイスティー”テンタリ”をいただく。
ちょっと合成にサテーと合わせて1プレートセットを注文。マレーシアは、屋外でも食べられるお店は多数あるんだけど、1人で移動しているときはやはり大型施設の方が食べやすいね。
まとめ :人を選ぶマッサージ店
総合的に見てみると、価格の安さは確かだし、マッサージの技術的な面も群を抜いている。ただ、場所柄的にあまり綺麗でない上に、マッサージ部屋の環境もリラックスするには程遠い状況下にある。(マッサージ部屋は清潔な部屋だが周りの音がとにかくうるさかったりする)
一生懸命やってくれるのは非常にありがたいのだが、もう少しリラックスできる環境が揃っていれば、万人に勧められるのだが。ある程度雑多な環境でもいいという人向けだろうね、こちらのお店は。
なお、マッサージの上手さはあくまでも施術士によるので、この店で確実に技量の高い施術士に出会えるわけではない。ただ、ブラインドの方であれば、技量が優れていることが多いという点に留意していただければ。以上、ご参考まで。