先日まで2週間の東南アジア周遊旅行に行っており、帰国便はキャセイパシフィック航空で羽田に戻ります。今回は、アジア内では貴重なファーストクラスを飛ばしている香港ー羽田間のフライトで帰る予定です。ファーストクラスは搭乗日の2ヶ月ほど前にアワードで予約していました。最終的に、無事ダウングレードもなく、当日搭乗できたたためフライトレポとして紹介します。
目次
CX548ファーストクラス 香港~羽田
アラスカ航空のマイレージで予約
今回のキャセイパシフィック航空ファーストクラスの航空券は、アラスカ航空のマイレージで予約しました。アラスカ航空のマイレージプログラムは、ほとんど馴染みのない人が大多数ではないかと思います。
ただ、一方で旅行上級者の中では非常に有名なマイレージプログラムのひとつです。JALのビジネスクラスやキャセイパシフィック航空のフライトが極めてお得に予約できることで知られています。具体的な発券方法は以下の記事を参照ください。
ファーストクラスボーディング
今回、シンガポールからの乗継地として香港へ来ていました。24時間以内の乗継であるため、チェックインをすることなく、そのまま搭乗口まで向かいます。なお、搭乗前までは、キャセイパシフィック航空のホームラウンジであるザ・ウィングでゆっくり朝食を堪能させてもらいました。
CX548の搭乗時刻はAM8:50。ボーディングの際は、以下のような順番で搭乗を開始します。
- 搭乗に手伝いが必要な方、妊婦さんや幼児連れ等
- ファーストクラス搭乗者およびワンワールドエメラルド会員、マルコポーロ会員の最上級クラス(ダイヤモンド会員)の搭乗者
- ビジネスクラス搭乗者、ワンワールドサファイア会員等
- エコノミークラス搭乗者
今回は、ファーストクラスで搭乗する予定であったため、全体の2番目に搭乗します。こちらの機材(777-300ER)では、ファーストクラスは6席しかありません。しかし、優先搭乗の列には15名前後は並んでいたかと思います。
また、ファーストクラスより前に乗務員に連れられて2名の真摯なサラリーマン的な風貌の方が最優先の位置で待機させられていました。どういう扱いなのでしょうか、よくわかりませんでしたが特別待遇ということなのでしょう。
(その2名はファーストクラス搭乗者ではありませんでしたが)
程なくして優先搭乗が開始されます。飛行機へ向かうタラップへ行くと、ファーストクラス、ビジネスクラスとエコノミークラスで入口が別れますが、先ほどまでファーストクラスのレーンに並んでいた方々のほとんどがエコノミークラスの方へ流れて行きました。やはりJALやANAほどではないにしろ、最上級会員資格を持っている人が多いことがわかります。
CX548 777-300ERファーストクラス
今回指定した座席は1-A。横幅3席、窓4つ分相当はあるでしょうか。事前に写真で見ていたものよりも相当広かったのが印象的でした。座席そのものは若干窓側へ斜めを向いており、半個室的な空間となっています。右手側に埋め込みの壁面モニターが入っており、モニター位置を手動で座席正面まで動かすことが可能です。
足先は若干細くなっており、ベッドスペースは長方形というわけではありません。ただ、幅も長さも十分なほど大きいため、就寝時に足先の細さが気になることはほとんどないのではないでしょうか。
窓側のテーブルスペースも広く、ドリンク設置用のコースターも完備されており、空間的なゆとりは流石のファーストクラスといったところ。
テレビモニター横のドアを開くと、そこはプライベートのクローゼットとなっています。ジャケットやコート類を収納できるようになっていました。
左手側面には小さいモニターがあり、シートのリクライニングを調整できるようになっています。ユニバーサルタイプのアウトレットもわかりやすい位置にありますね。
右手側にもリクライニング用のスイッチ類。ノイズキャンセリングヘッドホンは個別にCAさんから手渡しで受け取りました。
右手側のテレビモニターは、壁面に埋め込んだままだと若干遠く見づらいのですが、このように前にせり出すような構造となっています。
スペース的な広さや快適さは先に乗ったビジネスクラスよりも遥かに上ですが、最新鋭の設備ではないのが少々伺える座席となっています。見た目も装飾的に地味で質素な座席なので、豪華さという観点では物足りないと思う人もいるかもしれません。
ウェルカムサービス
座席に座ると、すぐに本日のパーサーとファーストクラスを担当していただけるCAさんが挨拶しに来てくれた。パーサーの方は日本人だったので、正直驚き。海外の航空会社でも日本人(または日本語が母国語の方)が活躍しているのは嬉しいもんですね。いやまぁ普通によくある話なのかもしれませんが笑。
また、ファーストクラスはたった6席しか座席がないのですが、CA2人ですべて対応してもらったのが印象的でした。
(念のため。CXは日本語CAが常駐しているわけではなく、両名とも英語でやり取りをしています)
挨拶の後は、ウェルカムサービスでドリンクとおしぼりをいただきます。今回は朝(AM9時頃)の便であるため、お酒は飲みませんでしたが、別の席では夫婦でシャンパンを飲むお客さんも。いやー、夫婦でファーストクラスだなんて素晴らしい旅行ですね本当。お金持ちか陸マイラーかのどちらかでしょう笑。
雑誌等も各種用意しており、大量の雑誌を抱えて見せに座席まで来てくれました。さすがに、今回のフライトはゆっくりしたかったので、遠慮しましたが。
香港国際空港を離陸
座席について10~15分程度経った頃でしょうか。エコノミー側の座席案内も終わり、離陸に向けて飛行機が動き出しました。
やはりビジネスクラスやファーストクラスに乗っていると時間経過の間隔がまるで違います。あっという間に時間は流れていき、いかに快適なフライトなのかを感じてしまいます。
ファーストクラス 朝食
離陸後、しばらくすると朝食の準備のため、オーダーを聞かれます。ファーストクラスはフルオーダー式の朝食ではありませんが、複数のメニューから朝食を選択して、自分の食べたいものを選ぶこととなります。
- アペタイザー/オードブル
ジュース各種、季節の新鮮フルーツ、フルーツヨーグルト各種、シリアル - メインコースその1
マッシュルームのオムレツ、オーストラリア産ソーセージ、薄切りベーコン、コンビーフハッシュ、完熟トマト - メインコースその2
ディムサムセレクション(海老・豚餃子、シュウマイ、鶏肉とハムの包み、きのこ・野菜餃子、豚肉・葱餃子) - メインコースその3
アメリカ産牛バラ煮込み、玉ねぎ、ブロッコリ、人参、ジャスミンライス - ブレッドバスケット(ジャム、蜂蜜、バター付き)
- illy Coffee
- JING Tea
料理名の和訳はあまり自信ないので参考程度で。正直、ラウンジで食べ過ぎてもう十分なのですが、何もなしというのも勿体ない衝動に駆られてしまったため、メインコース1のプレートをチョイス。パンやシリアル類は遠慮させてもらいました。
朝の時間帯なので、こういう軽いものは非常にありがたいですね。フルーツ各種とリンゴジュースで腹をさらに満たします。
私「うーむ、腹が苦しい・・・」
と思っていたら、メインディッシュが出て来てしまいました。オムレツにハム・ソーセージの盛り合わせ。普通に美味しいのですが、腹が苦しくてそれどころではありません。
食後にはコーヒーをいただきます。いや、本当お腹が苦しすぎて、美味しいとか優雅とか何も感じなくなるレベルになっていました。
フルフラットベッド
満腹中枢150%に耐えながら、羽田までの残り3時間をフルフラットベッドで過ごします。さすがはファーストクラス、足を伸ばそうが余裕のスペースがあります。
午前便ということもあり、窓の外は眩しい光が差し込んでくる。お腹の苦しみを和らげるため、CAさんに水をもらい、食事を諦めるという選択肢も時には必要であることを改めて感じつつ、ファーストクラスの誘惑に負けた自分を戒めます。
ファーストクラス トイレ
ファーストクラスということで、トイレも一応チェックしました。香港~羽田間は短距離~中距離であるため、あまり設備を充実させている訳ではありませんが、非常に清潔に保たれていましたね。
トイレのアメニティはAESOP。香港国際空港のファーストクラスラウンジであるザ・ピアなどのバスルームに置いてあるものと同じものです。
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羽田空港へ到着
この日は雲も少なく快晴に恵まれました。香港との温度差はそれほどなく、到着したら荷物を受け取って自宅に帰るのみ。ぼーっと、到着までの時間を腹の苦しみと共に過ごしながら、CAさんと雑談を軽くします。
そしてその後、着陸前に担当CAの方からお手紙をいただけました。CXファーストクラスのお手紙サービスは噂には聞いていましたが、こういったソフトな部分は「また乗りたい!」と本当思わせてくれますね。AIやら技術革新なんかじゃ、絶対に置き換わらない人間ならではのサービスと感じます。ただ、普通に嬉しかったです。
香港と羽田は4時間程度しかフライト時間がなく、ファーストクラスを堪能するにはあまりにも短すぎる距離と言えます。移動するだけなら、フルフラットになるビジネスクラスの座席が一番いいでしょう。やはりファーストクラスは8時間を超える長距離便でないと、その真価を発揮しづらいと感じました。
とは言いつつも、こんな快適で優雅なフライトは2つとないのも事実。贅沢を言うものではありません。
まとめ:香港発ファーストはラウンジ込みで満足度150%
先にも述べましたが、飛行距離が短いために、ファーストクラスに乗ったという印象は薄く、ご飯と座席の豪華なビジネスクラスに乗ったという印象が強いフライトとなりました。決して、悪くはないのですが、座席の快適さやファーストクラスのシャンパン等を味わう時間帯でなかったという点もあり、実は満足度はそこまで高くないというのが今回の率直な感想です。
むしろ香港国際空港のファーストクラスラウンジのクオリティが極めて高く、そちらに入れることの方がメリットとしては非常に高いと感じた次第。そのため、”またファーストクラスに乗りたい”よりも”またファーストクラスラウンジに入りたい”という気持ちの方が強いです笑。すなわち、ラウンジ込みで満足度150%となったというのが本音ですね。
とはいえ、毎度毎度の失敗と言える満腹度との闘いには今回も反省することが多々あるフライトでした。ファーストクラスという言葉の響きに負けて、何でもかんでも食べようとする点は絶対に良くないでしょう。必ずラウンジかフライトかのどちらかのみに食事を制限するべきと言えます。そうでないとせっかくのファーストもお腹の苦しみに支配されるのは目に見えて明らかです。
キャセイパシフィック航空は、香港経由をする米国路線などで長距離フライトのファーストクラスを楽しむことができます。お腹の苦しみをコントロールしつつ、ぜひ次回は長距離路線でファーストクラスを楽しめたらいいな、と思いました。
どうやったらキャセイパシフィックのファーストクラスに乗れるか
さて、キャセイパシフィックのファーストクラスに乗る方法はいくつかありますが、正規の航空券を有償で購入する方法はあまりにハードルが高すぎます。東京ー香港間のファーストクラス航空券は往復で約50万円の価格で販売されており、LCCを使えば20,000円で往復できる香港にこの金額を出すのは、とても有意義なお金の使い方とは言えないでしょう。
比較的購入しやすい方法としては、ブリティッシュエアウェイズのアビオスを利用する方法(片道40,000アビオスで発券が可能)やアラスカ航空のマイレージを利用する方法などが挙げられます。
どちらもある程度の準備をしないと発券するに至らないのは確かですが、決して手の届かない代物でないのも確か。実際に私もこれらの方法でCXファーストクラスを楽しませてもらいました。詳細は以下の記事を見ていただければ。ご参考まで。