楽天プレミアムカードは年会費ほどのメリットがあるか検証してみる

”楽天プレミアムカード”は、”楽天カード”、”楽天ゴールドカード”の上位に位置するカードのことです。一応、さらに上位には”楽天ブラックカード”なんてものも存在することが知られています。この楽天プレミアムカードは年会費10,000円(税抜)がかかります。国内の一般的なゴールドカードと同等クラスの金額です。これだけの金額を払ってまで、このカードを保有するメリットがあるのかどうか、について今回は考えたいと思います。

楽天プレミアムカードは2023年11月1日に各種ポイント付与倍率の引下げやプライオリティパスの回数制限などの特典改悪を発表しました。詳細はこちら

なお、検証は記事更新段階である2018年3月時点で考えてみます。

自分の経験談から言えば、クレジットカードの付帯特典なんて頻繁に変更されるものであるため、2-3年経てば、使うメリットがないほど大幅な改悪がされていたりするケースも多いです。そこのところに十分気を付けながら、読んでいただければと思います。

あと、すでに他のブログ等でも、”楽天プレミアムカード”のメリット、デメリットといった内容は散々まとめ上げられておりますが、今回は以下の点について、深く検証してみたいと思います。

・なぜ年会費の安い”楽天ゴールドカード”ではなく、”楽天プレミアムカード”なのか

・代替手段をフル活用したとしても、”楽天プレミアムカード”は持つべきなのか

楽天プレミアムカード概略

知らない人のために、概略だけ記載します。

年会費:10,000円(税抜)
主な特典:

  1. 楽天市場の買い物時ポイントアップ
    (楽天カード、楽天ゴールドカード共通)
  2. 旅行保険:海外・国内共に最高5,000万円
    (動産に該当する購入商品も300万円まで補償)
  3. プライオリティパス無料登録

これ以外に、優待サービスとして、

・「楽天市場コース」
(火曜・木曜の楽天市場でポイントアップ)
・「トラベルコース」
(楽天トラベルのポイントアップ、手荷物宅配、国内宿泊優待)
・「エンタメコース」
(楽天SHOWTIME,楽天ブックスでポイントアップ)

と呼ばれる限定サービスや、海外トラベルデスク、誕生月サービス(楽天市場で使えるクーポン等)などがあります。

楽天ゴールドカードとの差は何?

楽天ゴールドカードとの差は何でしょうか。調べられる範囲でハッキリわかる具体的な違いは以下のとおりです。

プライオリティパスの無料発行

楽天ゴールドカードは、主要国内空港ラウンジ、ハワイ・仁川空港ラウンジのみが無料となります。ハワイ、仁川を除く海外の空港ラウンジは、基本的に対応していません。

ちなみにですが、楽天プレミアムカード、楽天ゴールドカードは羽田空港国際線にあるスカイラウンジには対応していません(国内線の第1ターミナル、第2ターミナルのカードラウンジには対応)。羽田から海外行くとき、楽天カードだけだとラウンジに入れないのは、ちょっと残念なポイントですね。

なお、楽天プレミアムカードであれば、プライオリティパスを発行することで、海外の空港ラウンジを利用することができます。

旅行保険の保険金額、自動付帯オプション

楽天ゴールドカードの旅行保険には、海外旅行保険2,000万円が付いています。

一方で、楽天プレミアムカードは自動付帯で4,000万円、利用付帯で1,000万円となり、合計で5,000万円となります。

楽天プレミアムへの1年間無料登録

”楽天プレミアム”は名前がカードの名称とややこしいのですが、2016年9月から始まった楽天ユーザー向けサービスのことです。主に、楽天市場の商品発送代金をポイントバックしてくれたりするサービスですね。

楽天ゴールドカードは別途有料登録する必要がありますが、楽天プレミアムカードであれば、1年間無料登録ができます。

楽天ゴールドカードは年会費2,000円(税抜)

すなわち、上記特典の差が年間8,000円以上あるかどうか、ということを検証します。

プライオリティパスに無料登録できる

楽天プレミアムカードの特典の一つに、「プライオリティパスへの無料登録」があります。

プライオリティパスとは

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楽天プレミアムカード保有者は、世界120ヵ国400都市850ヵ所以上の空港ラウンジを無料で利用できるプライオリティ・パスのプレステージ会員(通常年会費399USD)に無料で入会できます。

※家族会員は対象外。申し込みからプライオリティパスの到着までに2週間程度要します。

プライオリティパスの実質的な価格

プライオリティパスの正規料金は年間399ドル(2018年3月現在約42,000円)の金額ですが、実際に正規料金以外での加入方法があるのが、現状です。
(むしろ正規料金で加入している個人会員なんて、日本にいるんでしょうか)

楽天プレミアムカードを発行する以外での方法を挙げると、例えば、

JCBザ・クラスやアメックスプラチナなどプラチナカードにはほぼ漏れなく付帯している

プラチナカード保有者がプライオリティパス目的で、楽天プレミアムカードを発行する必要はありません。さらに言うと、ダイナースカードを持っていれば、海外の空港ラウンジのほとんどを利用できるため、ダイナース保有者も実質的にプライオリティパスは不要な場合が多いでしょう。

ただ、プラチナカードはさすがに一般庶民にとっては敷居が高いですね。ダイナースクラブは、まぁブランドが好きかどうかだとは思います。

したがって、あくまで恩恵があるのは、プラチナカード(又はダイナースカード)を保有していない人が対象となります。

セゾンアメックスゴールドの付帯特典として、年間1万円でプライオリティパスの発行が可能

単純な比較はできませんが、セゾンアメックスゴールド保有者は年会費(10,000円・税抜)に、さらにプラス年間1万円でプライオリティパスが発行できます。

ただ、同じ年間1万円を掛けるのであれば、セゾンアメックスゴールドよりも楽天プレミアムカードを持った方が単純にお得のようにも思えますね。したがって、

アメックスを使いたい、というこだわりがない人

セゾンプラチナアメックス(年会費2万円、プライオリティパス無料発行)を狙っていないという人

であれば、年間1万円で済む楽天プレミアムカードを選択してもよい。ちなみに、インビテーション制のセゾンプラチナアメックスは申し込み制のセゾンプラチナビジネスアメックスとほぼ特典が同じであるため、そちらを利用した方がよいことが知られています。

アメックスゴールドでは、年間2回まで無料となるプライオリティパスが発行可能

プロパー発行のアメックスゴールドの保有者は、年間2回まで無料となるプライオリティパスが発行できます。3回目以降は、その都度27USDを支払うことで、空港ラウンジを利用できます。

この年間2回まで、というのが若干やっかいで、海外旅行2回分、と解釈しているサイトがあるものの、以下のようなケースだと不便なことになります。

・入場した空港ラウンジが、たまたま混雑していた
(軽食メニューがなかった)

・一つの空港には複数の空港ラウンジがあるので、色んなラウンジに入ってみたい
・海外旅行に3回以上行く

そもそもゴールドカード保有者は海外旅行に複数回行かないと、まず元が取れないケースも多いです。

そのため、アメックスゴールドと比較すると、楽天プレミアムカードの入場回数無制限のプライオリティパス発行は優位にあると言えます。

なお、楽天プレミアムカードには、トラベルコースを選択しないと手荷物無料宅配の特典は受けられません。なおかつ、その特典が2回まで、という点はあまり良い特典とは言えませんね。

旅行保険としての付加価値

楽天プレミアムカードには、楽天ゴールドカードを上回る旅行保険が付帯しています。

一般的な旅行保険との差

一般的に空港等で加入を促される大手旅行保険のAIUと比較すると、

  楽天プレミアムカード AIU旅行保険(N11)
傷害死亡 5,000万円 3,000万円
傷害後遺障害 90万円~3,000万円
治療・救援費用 (傷害治療)300万円
(救援者費用)200万円
無制限
緊急歯科治療 なし 10万円
疾病死亡 300万円 1,000万円
個人賠償責任 3,000万円 1億円
携行品 50万円 30万円
保険料 なし 3日まで:5,190円
6日まで:7,140円

このようにAIU旅行保険と比較すると、楽天プレミアムカードが優れている点も散見されますが、劣っている部分もあります。例えば、

治療、救援費用

海外の治療費は高額なことが多いのは有名な話ですね。仮に500万円程度の金額が掛かってしまった場合には、楽天プレミアムカードを保有していたとしても保険金300万円を超えた部分である200万円が自己負担額となってしまいます。

もし旅行保険に入らないのであれば、クレジットカードの複数持ちを検討するのが、旅の上等手段でしょう。

緊急歯科治療

歯は治してから、旅行に行きましょう。

疾病死亡

病気も治してから、旅行に行きましょう。伝染病、感染症のリスクがある地域にはわざわざ行かない方が良いですね。

個人賠償責任

こちらも相手にケガを負わせてしまった場合は、高額とあるケースもあり得ます。旅行保険に加入しない場合には、複数のクレジットカードを保有するのが得策でしょう。

家族持ちは要注意

楽天プレミアムカードの旅行保険で一番の落とし穴は、家族特約がない点ではないでしょうか。

会員本人が保険支払事由に該当するケースはカバーされますが、家族がそうなった場合には支払対象となりません。

そういった場合には、家族カード(年会費5,000円)を発行するなどの対応が必要となります。旅行保険のために、わざわざ年間5,000円もする家族カードを作るのか、という疑問は残りますが方法としてはあります。

なお、家族カードにはプライオリティパスは付帯しないので要注意です。

旅行保険としての評価

楽天プレミアムカードは、まずまずの機能を備えています。これ1枚ですべてをカバーできるほどではないにせよ、旅行者なら当然しているクレカ複数枚で対応できる場面も多いですね。

3日間程度の海外旅行であれば、都度5,000円ほどの特典を受けていることになります。金額にしてみると、なかなかいい数字ではないでしょうか。

楽天プレミアムというサービス

非常に名前が紛らわしいのですが、「楽天プレミアムカード」と「楽天プレミアム」は別の呼称です。

楽天プレミアムは、年間3,900円(税込)で楽天市場での配送料がポイントバックされたり、楽天市場でのクーポン、楽天トラベル内での旅行クーポンやポイントアップがされる、といったサービスです。

この楽天プレミアムというサービスは、楽天プレミアムカードを保有すると、1年間無料で登録をすることができます。

年間3,900円もの付加価値があるかは、

・楽天市場で何回買い物をするか(送料のかかる小額な買い物)※
・楽天関連のサービスのクーポンやポイントアップの恩恵をどれだけ受けるか

の2点で決まってきます。

ただ、楽天関連サービスのクーポンやポイントアップ(+1%)については、不確定要素でもあり、たまたま自分の使いたい時期にあったらラッキー、と捉える程度が良いと、個人的には思います。

したがって、「楽天市場で何回買い物をするか」が重要でしょう。

※楽天プレミアムによる送料ポイント還元の対象は、商品金額が2,000円以上である場合に適用されます。また、送料ポイント還元については、最大500ポイントまでと上限設定がある点に注意が必要です。

付加価値の金額

楽天プレミアムカードで得られるベネフィットは、

プライオリティパスによる海外空港ラウンジ

都度利用料は、2,000-3,000円といったところでしょうか。

海外旅行保険の保険金額、自動付帯オプション等

旅行保険としても機能するため、海外旅行の都度、5,000-7,000円といったところでしょうか。

 楽天プレミアムの楽天向けサービス(初年度のみ)

楽天市場で買い物をする場合、送料が無料になります。1回の買い物に付き大体500円。

以上より、「7,000~10,000円×海外旅行回数+500円×買い物回数」がざっくり計算したベネフィット差額と言えるでしょう。(初年度、次年度以降は、海外旅行分のみ)

仮に、海外旅行年間1回、楽天市場での買い物が年間2回の人の場合

7,000~10,000*1+500*2 = 8,000~11,000

あたりが、ベネフィットの金額。自分の場合は、昨年10回海外旅行をしており、楽天市場で5回買い物をしているので、

7,000~10,000*10+500*5 = 72,500~102,500円

程度のベネフィットを受けている計算となります。なんだか結構厳しめに見ても、有効活用できているじゃないか、と思った次第です。

まとめ:2023年11月に発表された特典改悪内容を考慮すべし

楽天プレミアムカードは2023年11月1日に各種ポイント付与倍率の引下げやプライオリティパスの回数制限などの特典改悪を発表しました。詳細はこちら

以下は2018年時点でのコメントとなります。


楽天プレミアムカードは、海外旅行へ行く人であれば、かなり価値あるカードの一つと言えるのではないでしょうか。もちろん楽天プレミアムカードは、楽天ゴールドカードのメリット+αの価値を有しているので、楽天市場ユーザーであれば、かなりお得に使いこなせると言えます。

また、楽天カード、楽天ゴールドカード、楽天プレミアムカードそれぞれのターゲットが明らかに異なっており、

楽天カード:楽天市場利用者。年会費タダでクレカを持ちたい人向け。
楽天ゴールドカード:楽天市場+国内旅行中心の人向け。
楽天プレミアムカード:楽天市場+海外旅行が多い人向け。

と役割がはっきりわかれていると言えます。とりあえず、楽天市場ユーザーはノーマルな楽天カード含めて、作っておいて損はないカードになっていますね。

ただ、一つ注意点として挙げられるのは、既に他のゴールドカード、プラチナカードを保有している場合、その恩恵はずいぶん縮小する点には留意が必要です。

楽天プレミアムカードのベネフィットの大半は、プライオリティパスと旅行保険ですね。これらのサービスが既存のクレジットカードであったり、航空会社の上級会員特典で享受できる場合には、あえて作る必要はないでしょう。以上、ご参考まで。

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