国民年金・厚生年金の保険料が払えない人は納付免除・猶予をしましょう

サラリーマンの給与明細には、額面給与から社会保険料が給与天引きされているケースが大半かと思います。社会保険料は年間ベースにもするとかなり大きな金額になります。人によっては保険料が払えない、という状況にある方もいるのではないでしょうか。今回は、今払えない人だけでなく、過去払っていなかった人も知っておきたい国民年金・厚生年金の保険料納付免除制度、納付猶予制度について紹介します。

国民年金と厚生年金の保険料の納付方法

保険料の金額は国民年金と厚生年金で異なっており、国民年金の保険料は定額、厚生年金の保険料は給与の一定率として定められています。

国民年金保険料は、夫婦であっても、学生やパート・アルバイトであっても、一律に定額の保険料を負担する仕組みです。また、保険料の納付方法なども多数の選択肢があります。特徴としては以下のとおり。

  • (国から送付される)保険料納付書での納付
  • 銀行等の口座自動引き落とし
  • 金融機関や一部のコンビニエンスストアなど窓口、オンラインで納付可能(クレジットカードなどでの支払可)
  • 毎月の保険料の納期限は翌月の末日まで
  • 前納すると割引あり(口座からの自動引き落としで当月中に納付する場合や2年度分、1年度分、半年分などを前納したりする場合)
  • 未納付で2年経過すると、納付不可(滞納期間として扱われる)

国民年金保険料の納付を免除する仕組み

詳細については日本年金機構ホームページを参照していただければと思いますが、かなり詳細に記載されているということもあり、大まかな仕組みについて紹介しておきます。

法定免除

生活保護を受けている人が、 市区町村役場で届出をすると、保険料が「全額免除」になる仕組み。生活保護の人はそもそも所得が極めて低い水準であるため、年金保険料の納付は免除されるようになっています。

申請免除

「所得が一定額以下」の人や「障害者や寡婦で前年の所得が125万円以下」の人が市区町村役場で申請し、認められると保険料が免除になる仕組み。所得に応じて「4分の1」「半額」「4分の3」「全額」免除の4種類の免除があります。こちらもコンセプトは所得が低い人の保険料負担を軽減するために、段階的に申請方式で保険料納付を免除する仕組みとなっています。

なお、こちらの申請は過去2年分前まで遡って免除の申請をすることが可能です。後述する特例免除なども同様の仕組みとなります。

退職(失業)時の特例免除

退職(失業)した人が市区町村役場で申請し、認められると保険料が免除になる仕組み。申請者の任意で「4分の1」~「全額」免除など4種類の免除のうちひとつを選択することができます。ただし、配偶者や世帯主に一定以上の所得がある場合は、免除が認められないこともあります。

こちらの特例免除は、いわゆる退職後に所得がほぼなくなってしまいor低所得となってしまうことから、低所得時の保険料納付義務を免除する仕組みです。

国民年金保険料の納付を猶予させる仕組み

学生の納付特例

学生納付特例とは、20歳以上の学生本人の前年所得がおおよそ118万円(収入の目安額195万円以下)ならば市区町村役場への申請によって保険料の納付が猶予される仕組み。学生の場合、基本的には定職についておらず、収入に制約があることから学生期間中の保険料納付義務を猶予してもらえる仕組みとなっています。

参考 国民年金保険料の学生納付特例制度日本年金機構

納付猶予

納付猶予とは、20歳から49歳の国民年金加入者本人・配偶者の前年所得(1月から6月までの申請であれば前々年所得)が一定額以下ならば、市区町村役場への申請によって保険料の納付が猶予される仕組みです。

こちらの納付猶予も所得が少ない人の保険料納付義務を猶予してもらえる仕組みとなっている。

追納

法定免除、申請免除、退職(失業)時の特例免除された期間は受給できるかを見る際の加入期間と年金額の両方に反映されます。一方で、学生納付特例や納付猶予を受けた場合、その猶予期間は加入期間のみに反映されます。そのため、追納しない限り年金額には結びつきません。

ただし、学生納付特例等で保険料納付義務を猶予された場合、その納めるべき保険料はその後10年以内であれば、さかのぼって納付をすることができます。

老齢基礎年金を計算する際、免除期間分は年金額が減額されますが、追納した分は保険料を支払った期間として扱われるため満額の基礎年金額に近づけることができます。可能であれば追納をしておくことが望ましいでしょう。

厚生年金保険料は月額給与・賞与に比例する

厚生年金保険料は標準報酬月額と標準賞与額の一定割合として算定されます。具体的な特徴は以下のとおり。

  • 月給(標準報酬月額、上限65万円・2020年9月より)と賞与(標準賞与額、上限150万円)に9.15%を乗じて得た額が本人負担分の保険料となる。なお、勤務先(事業主)も同額の保険料を負担する仕組み。
  • 本人負担分は月給と賞与のそれぞれで天引きされる
  • 会社員に扶養される妻(被扶養者)として、夫(被保険者)の勤務先経由で国民年金の第3号被保険者の該当届が必要
  • やむを得ない理由で未届けの期間がある人は手続きを行うと1986年4月までさかのぼって被保険者になることができる
  • 配偶者の退職などにより被扶養者が第3号被保険者でなくなると届出以後の保険料納付が必要となる

厚生年金は国民年金と異なり第3号被保険者(専業主婦)に係る国民年金保険料の負担が必要ない点は大きなメリットと言えます。

厚生年金保険料の免除制度

次世代育成の支援策として厚生年金加入者には次のような制度があります。

産前産後休業や育児休業等期間中の保険料免除

産前産後休業、育児休業等の期間中、事業主が申し出ると保険料が免除される仕組みがあります。これらの休業期間は、将来受け取る年金額の計算上、納付されたものとみなされます。

当該期間中は働きたくても働くことが難しいため、社会保障の仕組みとして、そもそもの納付義務を免除扱い(年金受給資格判定期間および年金額算定用期間の両方に含める)とする仕組みとなっています。

参考 産前産後休業保険料免除制度日本年金機構 参考 育児休業保険料免除制度日本年金機構

養育期間中の標準報酬月額の保障

3歳未満の子供を養育中の場合、勤務時間の短縮などで標準報酬月額が養育前よりも低くなると、低くなった標準報酬月額を基に保険料が天引きされることとなります。一方、年金額の計算上は養育前の標準報酬月額をもとに計算される仕組みがあります。

この制度を利用するには、個人が勤務先を経由して年金事務所に申し出をする必要があります。この仕組みはあくまで勤務時間の短縮等による支払給与の減少を理由とするため、申請理由として産前産後休業や育児休業をしたかどうかは関係ないことが特徴となっています。共働きの場合は妻・夫それぞれが申し出ることが可能となっています。

参考 養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置日本年金機構

国民年金保険料の後納

国民年金保険料の効能制度は2018年9月をもって終了しました。元々、期間を定めた時限措置であり、利用可能者のうち5%程度の方が利用していた実績がありますが、特に延長されることなく、終了することとなりました。

まとめ:現在保険料の納付が難しい人・過去未納付があった人は必ず確認を。

サラリーマンの場合、公的年金の年金保険料は社会保険料として給与から毎月天引きされているのが通常です。自営業者やパート・アルバイトの人の場合、自ら納付手続きをする必要があります。

現在保険料を納付することが難しい場合には、免除制度や納付猶予制度があるため、可能な限り活用すると良いでしょう。ただし、適用には所得基準等が、免除とはならず猶予となった場合には、将来もらえる年金額が少なくなってしまうことが懸念されます。

過去未納付の期間がある場合で、現在納付することができるならば、追納手続きをすることで将来受け取る年金額を増額させることができます。現在の状況にもよりますが、追納ができないか確認をしておくのが望ましいでしょう。以上、ご参考まで。

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