人事に係る年間での手続きについてまとめてみる

会社内の総務部、経理部などでは人事上の必要な手続きを多数行うことになります。人事業務の経験があれば、決して難しい話はそこまで多くはないのですが、行政手続きは毎年(すべてではないにせよ一部は)変更されることが多く、慣れていないと混乱してしまう場合もあるかと思います。今回は、年間での人事手続きについて、紹介したいと思います。

毎月の主な手続き

時期項目提出先
毎月10日源泉徴収税額の納付
(所得税徴収高計算書)
銀行
郵便局
毎月10日住民税特別徴収税額の納付
(納入書)
銀行
郵便局
毎月末健康保険料・厚生年金保険料の納付*1
(納入告知書)
銀行
郵便局
年金事務所
*1 口座振替の場合は不要

毎月の手続きは給与関連の税納付があります。毎月10日に所得税、住民税の納付があり、月末に社会保険料(健康保険・厚生年金保険)の納付をすることになります。

所得税・住民税の納付手続き

所得税・住民税の納付に関しては郵送での提出だけでなく、e-Taxでの提出もできるため、オンラインでの完結も可能です。なお、所得税の納付が1日でも遅れると、「不納付加算税」と「延滞税」が課されてしまう点に注意が必要です。

また、従業員が10人未満の事業所であれば、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請」を行うことで、毎月ではなく、年2回の納付手続きで済ませることが可能です。以下は国税局のホームページですが、市区町村においても住民税に係る納期の特例について告知されているため、利用される場合には各市区町村の手続きについても確認を推奨します。

参考 [手続名]源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請国税局

年間での主な手続き

1月の手続き

時期項目提出先
20日納期の特例による源泉徴収税額の納付*1
(前年7月~12月分)(納付書)
税務署
31日法定調書合計表の提出
(源泉徴収票・報酬等支払調書・合計表)
税務署
31日給与支払報告書の提出(1月1日現在)
(給与支払報告書)
市区町村
31日労働保険の分割納付(第3期)*2
(概算保険料納付書)
銀行
郵便局
労働基準監督署
*1 納期の特例の承認申請をしている場合
*2 労働保険料の分割納付をしている場合

暦年の切り替わりに伴い、月末に提出するものが多い月となっています。主に法定調書関係の書類の準備が大きいですね。

また、市区町村宛てに提出する給与支払報告書に基づき住民税が計算されることとなります。税務署に提出する源泉徴収票とほとんど同じ項目となっていますが、市区町村独自の総括表などが作成されている場合もあるため、確認をした上で提出をすることが良いでしょう。

6月の手続き

時期項目提出先
1日労働保険の年度更新手続きの開始
(7月10日まで)(概算・確定保険料申告書)
銀行
郵便局
労働基準監督署
10日納期の特例による住民税の特別徴収額の納付*1
(前年12月~5月分)(納入告知書)
銀行
郵便局
*1 納期の特例の承認申請をしている場合

6月の手続きで大きなものは労働保険の年度更新手続きですね。労働保険とは「雇用保険」と「労災保険」であり、年度更新手続きの際に会社が(原則)一括払いをするルールとなっています。なお、雇用保険の従業員負担分については、毎月の給与天引きにより徴収しています。

7月の手続き

時期項目提出先
1日健康保険・厚生年金保険の月額算定基礎届
(7月10日まで)(月額算定基礎届)
年金事務所
10日納期の特例による源泉徴収税額の納付*1
(前年12月~5月分)(納付書)
銀行
郵便局
31日労働保険料の分割納付(第1期)*2
(概算保険料納付書)
銀行
郵便局
労働基準監督署
*1 納期の特例の承認申請をしている場合
*2 労働保険料の分割納付をしている場合

7月は健康保険、厚生年金保険の標準報酬等級を見直すために、4月~6月の報酬月額を月額算定基礎届に記載して、年金事務所へ提出する必要があります。このときに算定した報酬月額をもとに社会保険料は見直しされ、9月分保険料(10月の給与から天引き)から適用されます。

10月の手続き

時期項目提出先
31日労働保険料の分割納付(第2期)*1
(概算保険料納付書)
銀行
郵便局
労働基準監督署
*1 労働保険料の分割納付をしている場合

10月は労働保険料の分割納付を行っていなければ、月次の手続きのみとなります。

ただ、この時期あたりから社内での年末調整に係る手続きの準備を行っていく必要があります。一般的に、10月~11月で年末に調整に関する案内を告知し、従業員に必要資料を準備してもらう期間となります。

12月の手続き

時期項目提出先
10日納期の特例による住民税の特別徴収額の納付*1
(6月~11月分)(納入告知書)
銀行
郵便局
*1 納期の特例の承認申請をしている場合

外部向けの手続きは決して多くはありませんが、年末調整に係る手続きが必要なため、忙しい時期となります。

臨時の手続き

時期項目提出先
翌月
10日
給与支払報告に係る異動届の提出
(給与支払い報告に係る給与所得異動届出書)
従業員の住所地の
市町村役場

給与所得異動届出書は異動があった際に、速やかに提出するルールとなっている市町村が多いかと思います。原則的には異動が発生した翌月の10日までに提出しなければいけません。

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