普段の仕事上で英語でのメールのやり取りをしていない方にとっては、英語でメールを書くことがかなり負担に感じることでしょう。また、一日数回英語でのメールをやり取りしていたとしても、どういうポイントに気を付けるべきか、あまり考えたことがない方はそれなりに多いのではないでしょうか。今回はそんなライティングでの気を付けるべきポイントの一部を具体的に紹介したいと思います。
目次
シンプルかつロジカルが大原則
日本語も英語も同じですが、ビジネスメールは「シンプルかつロジカルに表現する」ことが大原則と言えます。不明瞭または非論理的な表現は、ビジネス上のやり取りに適してなく、かなり相手に嫌がられるメールの一種となってしまいます。
そのため、大原則として「シンプルかつロジカル」とすることを当然に踏まえ、それを叶えるために、英語としての表現の中でどのようにそれを反映させていくべきか、そのTipsを今回いくつか紹介したいと思います。
ライティングで気を付けるべきポイント
その1 意味のある動詞に絞る
日本語と共通していますが、ビジネスメールでは、英語でも冗長な表現は避け、明瞭な表現を使用することが好まれます。特に、動詞の使い方については、注意をすべきポイントのひとつです。
直訳だと「彼は私の友達に助けを与えた」となりますが、自然に訳すと「彼は私の友人を助けた」という意味の例文です。決してこのままでも悪くはありません。ですが、”gave assistance to”という表現を用いずに、よりシンプルな文章とすることが望ましいといえます。
”assisted”の一単語にすると、より文章がシンプルになります。もちろん文意は変わっていません。小説や日記ならともかく、ビジネスメールだと、より相手にハッキリとわかりやすく伝える必要があり、回りくどい表現は避け、意味が明瞭な動詞に集約することが好まれます。
非常にシンプルな例ですが、何往復もするやり取りの中で、変なクセのある文章は相手への誤解を与える可能性もありますし、長い文章ほどシンプルに書く必要性が高まります。
また、別の例文でも見てみましょう。
”made an objection”という表現も、冗長的であり、シンプルさに欠けます。ビジネスの場で使えないことはないのですが、よりシンプルな表現が好まれます。
単純に”objects”と動詞をひとつにすることで、文章がシンプルになりました。
非常に些細な箇所ですが、シンプルに文章を書く、ということは日本語でも英語でも非常に重要な要素となります。英語の場合は、動詞を気を付けることでよりわかりやすい文章となるため、常日頃、気を配りたいポイントですね。
その2 短縮形を避ける
短縮形を使わないこともライティング上の重要なポイントとなります。短縮形とは具体的にどのようなものかというと、以下のようなものが該当します。
shouldn’t ⇔ should not
couldn’t ⇔ could not
wasn’t ⇔ was not
なぜライティングで短縮形を避けるべきか
英語の会話では頻繁に短縮形を用いることが多いと言えます。ただ、短縮形を用いると、カジュアルに聞こえるという特徴があり、フォーマルな場では短縮形が避けられる傾向にあります。
前後の流れがないと意味がわかりづらいかもしれませんが、文意は「そういった類の資金を集める予定はない」という意味となります。”gonna”を使用しており、よりくだけたトーンになっていますが、ビジネスの場では短縮形を避けた方が好ましいと言えます。
フォーマルと言えど、記者会見のようなビジネスシーンにおいても短縮形の発言は頻繁に見られます。ですが、文章に起こす場合には、そのニュアンスが相手に依存するということもあり、より誤解を招きづらいフォーマルな表現が好まれます。
特に、ニュースの文字起こしなどで、短縮形の発言(インフォーマルな表現)を意図的に短縮しない形(フォーマルな表現)に変換して記事にするケースも多いです。読み手により丁寧な印象を与える表現となるため、ライティングの際も注意をした方がよいポイントのひとつと言えます。
その3 Very/Reallyを避ける
.”Very”という表現は英語の中で、極めて頻繁に出てくる英単語と言っても良いでしょう。ですが、ビジネスの場だとVeryという副詞を付けたところで、意味がより明瞭になるわけではありません。例えば以下の例文を見てみましょう。
「多くの生徒は文学がとても難しいと考えている」という意味の文章ですね。”Very hard”という程度を表す語句で”とても難しい”という意味を表していますが、より適切な表現に置き換えると以下の文章となります。
もしかすると、「これを”very difficult”にしたら、同じじゃないか」と思うかもしれません。ですが、もしその”Very difficult”の程度を適切に表現したい場合には、より適切なワードを使用することが良いでしょう。
”hard”<”Very hard” = “difficult” < “Very difficult” = “arduous”(困難・難儀)であるため、”Literature is arduous”という表現などが考えられます。とはいえ、必ずしも聞きなれない英単語を使用すべきというわけでもないため、必要に応じて表現を選択した方がよいでしょう。
また、”Very”と類似の副詞として”Really”も同じような使われ方がされます。同様に適切なワードを選択した方がよいのは間違いありませんが、先ほどの”Very”とは違った視点で考えてみます。
日本語の意味は「そのツイートは非常に物議を醸している」となります。さて、この文章において、先ほどの”Very”のような程度を論点にしているのではなく、”物議を醸している”ことが主張である場合は単純に”Really”を除いてしまった方がシンプルで簡潔な意味になります。
「物議を醸している」ことを適切に相手に伝えるのであれば、余計な副詞は落として、シンプルな表現で書くことが望ましいと言えます。
その4 there is/there areを避ける
「(もの・こと)がある」という文章を作る”There is/There are”ですが、ライティングの際には避けた方がよい表現のひとつになります。もし使う場合であっても、文意に注意をした方がよいでしょう。
「ホテルで展示会がある」という意味の文章となります。さて、この文章の中の主張は「ホテルで行われている」ことでしょうか。それとも「展示会が行われている」ことでしょうか。
これは英語の語法的なものもありますが、一般的に”There is/There are”の後に続くワードは前述されていないワードが来ることが知られています。今回の例文だと”an exhibition”ですね。そのため、「展示会が行われていること」をより適切に表現するのであれば、以下のような文章に直した方がより適切と言えます。
一般的に、英語の文章の中で、主張や重要な箇所、追加的情報は後ろに配置されるため、上記のような表現とする方が文意をより適切に相手へ伝えることとなります。そのため、文章構造が逆になりやすい”There is/There are”の使用は注意した方がよいでしょう。
では、他の例文も見てみましょう。
彼のクラスは問題があるそうですね・・・、大変そうです。この文章のニュアンスは、「(他のクラス含めて少なからず問題があるのだけれど)彼のクラスには、多くの問題がある」に近いものを感じます。
さて、文意が「問題を抱えていること」であるのであれば、以下のような表現の方が望ましいでしょう。
”There is/There are”を絶対に使ってはいけないわけではありませんが、文意がずれてしまうケースが実は多い表現だったりします。できるのであれば、文意に沿って、適切な表現に修正をした方がよいでしょう。
まとめ:Clear & Crispな表現を
冒頭にも書きましたが、英語の表現に限らずビジネスの現場は表現力よりも明瞭な文章が強く好まれます。英語でメールや文書を書く場合においても、スペルミスや文法ミスに気を付けるだけでなく、文意をはっきりと相手に伝える表現を適切に選択していくことも重要です。
引き続き初学者にとって、すぐに身に着くTipsを今後も書き留めておこうと思いますので、ご参考になれば幸いです。
”I am sorry”以外の言い方を考える
相手の英語が聞き取れなかったときに何て返すか?