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バンコクのGrabは本当にお勧めなのか?改めて考えてみる

タイ旅行の際に悩ましいのがタクシー問題。ぼったくりタクシーが極めて多く、いちいち金額を交渉しなければならないタクシーは相場を正確に把握できない観光客にとって難敵と言えます。そういう問題を抜本的に解決してくれるのが、スマホで呼べる配車アプリであるGrabですね。今回はタイバンコクでのGrab利用について改めて考えたいと思います。

バンコクのGrabは本当にお勧めできるのか?

Grabとは何か?

まず話の大前提としてGrabとは何かを簡単に紹介しておきます。Grabは東南アジアを中心に広く普及している配車アプリのことです。最近では日本でもジャパンタクシーが普及しつつありますが、一般的にはネット配車タクシーアプリのことですね。スマホのアプリひとつでタクシーを呼ぶことができるサービスであり、私の旅行の中でも大活躍をしてくれています。

ジャパンタクシーの使い方。東京・大阪で実際に使ってみた

また、欧米だとUberやLyftなんかも配車アプリとして広く普及していますね。

Grabのメリット

Grabに限らずの話ではありますが、配車アプリがなぜ便利かというと、以下のようなメリットがあるからなんです。

やはり現地語が話せなくてもコミュニケーションができるという点は極めて大きなメリットではないかと私個人は感じますね。現地の地名などをローカル言語で覚えていくのはかなり難しい話ですし、そもそも行きたい場所の周辺に何があるかわからない状況で目的地に向かわなければならないですから。

また、ぼったくりにほぼ合わない点もGrabなどの配車アプリの強みですね。日本だとぼったくりタクシーはかなり少ない傾向にありますが、海外のぼったくりタクシーの多さには、ものすごいものがあります。言い値を払う・払わないでドライバーと揉めて更なるトラブルに発展するようなケースもありますので、治安面を考慮しても推奨されるケースがあります。

バンコクのGrab事情

さて、Grabには様々なメリットがあるのですが、バンコクにおけるGrab事情はどうでしょうか。私はバンコクにいるとき、Grab(以前はUber)を頻繁に利用していまして、ここでも大きなメリットを感じています。

上記に書いている意思疎通の観点はもちろん、現地通貨をジャラジャラと持ち合わせる必要がないですし、何よりぼったくりタクシーをほぼ回避できる点については改めて大きなメリットと感じますね。

Grab Rewardsで割引クーポンをゲットできるのもメリット

話は逸れますが、東南アジアでGrabをバンバン使っていると勝手にGrabアプリ内のポイントが累積していくんですよね。その累積したポイントを利用することによって、アプリ内で割引クーポンを購入することができ、それをタクシーの乗車料金に適用することができます。

元々安いタクシー料金にさらに割引が適用されるだけあって、なかなか料金体系的には魅力的な仕組みなんです。

ただ、その一方でGrabのデメリットといいますか、非常に使いづらい点も昨今では露呈し始めているのが現状です。

バンコクのGrabの使いづらいところ

その1 車が全然来ない・・・

バンコクのGrabは非常に便利ですし、色々な方が利用されています。そのため、深夜時間帯やイベントのある日前後などではGrabで配車リクエストをしたとしても全然捕まらない、という状況になります。

2018年12月末年末年始のバンコクでGrabを私も利用したのですが、まったくGrabのリクエストに応じる気配はなく、ローカルタクシーを捕まえて普通に乗車しました。時期が時期なだけあって、仕方ないですね。

その2 送迎場所まで来る時間長くない?

もうこれはバンコク特有の話なのかもしれませんが、バンコクの一部の道路は極めてひどい渋滞となるケースが多々あります。もちろん一部の時間帯の話なのですが、午前10時~午後2時、午後3時~午後10時くらいまで平気で渋滞しているため、全然車が進まなくなってしまう場合があります。

このときGrabでリクエストを受けた車が渋滞にハマってしまった場合には、アプリの表示上「10分で到着」と書かれていたとしても、そんな時間は遥かに超えて「20-30分で到着」することがあります。

これはあくまでアプリの問題だから・・・という訳ではなく道路事情という問題であるため、Grabが悪いわけではありません。ですが、道路事情ひとつで使い勝手がだいぶ悪くなってしまう点に注意しなければなりません。

キャンセルを7日間に6回するとそれ以降キャンセル料がかかる

ちなみに、あまりにもリクエストが通らないために配車リクエストを「キャンセル→再リクエスト」を数回行ったところ、アラート表示が出ました。7日間のキャンセル回数に上限があり、それを超えてしまうとキャンセル料30THB=約100円がかかるというものでした。

シンガポールやマレーシアでも同様に、乗客側のCancellation Policy(キャンセル規定)があります。類似のルールが適用されるため、むやみやたらとキャンセルできないのが実情です。

You will not be charged for the first 6 cancellations within a 7-day rolling period. However, you agree that by using the Service you will be charged a cancellation fee of THB30 (the “Cancellation Fee”) on the seventh and subsequent cancellations within a 7-day rolling period (the Company has the sole discretion to change the threshold as it deems necessary).
(Quoted from Grab TH Terms of Service)

その3 ドライバーからキャンセルされることが多い

タイ特有の話なのかは個人的に判断しづらい部分ではあるのですが、先日利用した際はドライバーからのキャンセル回数がやたら多かった印象です。
(ちなみに、私自身のユーザー評価が悪い可能性はもちろんありますが、他の配車アプリでの評価も考えるとGrabだけ極端に評価が悪い可能性は低いのではないかな・・・と考えています)

ドライバー側は客を乗せるまで行き先がわからない

Grabは以前、配車リクエストの段階からドライバー側に行き先がわかるような仕様となっていました。たしか2018年4月頃だったでしょうか、この部分に仕様変更が掛けられ、ドライバー側が客を乗せるまではリクエストの目的地がわからないようになりました。

このせいもあってか、ドライバーにとって都合の悪い目的地である場合には、かなり敬遠されるようになり、事前に目的地を聞いてくるドライバーも多い傾向にあります。

もちろん目的地だけでなく迎車場所の都合が悪いとそれを理由にキャンセルしてくるケースも結構多い傾向にあります。

目的地が遠方である場合には事前にNoteしておこう

これはマナーに近い部分なのですが、迎車してからトラブルに遭遇しないためにも目的地が遠方である場合には、配車リクエストの段階で目的地を伝えておくことがベターかなと思います。

もし目的地を確認せずリクエストに応じた場合でも、キャンセルを促すよう伝えておけば比較的スムースに利用できることは間違いありません。

その4 Grabの方が料金が高い?

これもまたなかなか難しい話なのですが、Grabとローカルタクシーを比較したときにGrabの方が料金が高くなるケースがあります。

需要によって変動する料金

Grabは常にリクエストの数と配車できる台数のバランスを考慮して、標準的な料金レートを上げたり、通常に戻したりするなどして需要と供給のバランスを保っています。

ただ、いかんせん夕方やイベント後などのタイミングでは需要がひっ迫してしまうこともあり、Grabの料金の方が高くなる傾向が年末年始は特に現れていました。

空港からバンコク市内ホテルについてのレートも需要で変動しやすく・・・

こちらはサトゥーンエリア(シーロムエリアの南側)にあるWバンコクまで移動するときに確認したGrabの画面となります。年末シーズンの際の予約であったため、普段の金額より高くなっています。

通常のメータータクシーであれば、高速・空港利用料も含めて400THB=約1,400円で移動できる距離なので、Grabの方が若干高い料金を表示していることがわかります。とはいえ、これは需要により料金増加などである程度やむを得ない状況でしょう。
(バンコクの日中だと需要が高くなる傾向が頻繁にあるため、意外と割高なレートを掴むケースが多い傾向にあります)

2~3年前のUberとGrabが併存していた頃はもっと割安なレートで移動できたので、(タクシー運賃の値上げがあったとはいえ)現在の運賃はだいぶ以前より上がった印象ですね。

通常期のバンコク市内~スワンナプーム空港の料金

こちらは通常期のバンコク市内~スワンナプーム空港までのGrab料金となります。やはり350THB前後が平常時の料金と言えそうですね。

パタヤからバンコクへ戻る際のレートも割高に

年末年始のタイミングでパタヤ~バンコクスワンナプーム空港へ戻る際にGrab料金を確認してみたのですが、一律2,300THB=約8,000円となっていました。そのときのキャプチャ画像はありませんが、年末年始というタイミングもあってかなり割高な料金だったのを記憶しています。

また、落ち着いた時期であってもパタヤからバンコクスワンナプーム国際空港までのGrab料金は以下のような金額となっており、思っているほど安くはありません。

また、落ち着いた時期であってもパタヤからバンコクスワンナプーム国際空港までのGrab料金は以下のような金額となっており、思っているほど安くはありません。

もしパタヤ方面から利用する場合には一般のタクシーを利用した方が良いか多少検討した方がいいかもしれませんね。

パタヤバンコク間の一般的なレート

なお、パタヤとバンコクの間をタクシーで移動する旅行者はかなり多いため、一般的な相場というものが形成されています。メータータクシーの場合、

あたりの金額が目安となります。さらに街中にあるタクシーサービスだと、固定料金にはなりますが、

となります。年末年始、ソンクラーン(水かけ祭り)の時期には値段が上がる可能性が高いですが、一つの目安としてご参考ください。

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まとめ:使いやすさ・使いづらさが併存するサービス

Grabアプリは非常に便利なアプリであることは間違いありません。ただ、色々とマナーの問題や渋滞問題なども重なってくると、毎回安定して満足できるものでもないのが痛いところです。

一方で、シンガポールではかなり安定してGrabを利用することができるのですが、それは交通渋滞が規制により発生しづらい点やドライバーが(シングリッシュと言えど)漏れなく英語を話せるという点が大きいでしょう。

タイのGrabも料金面は元々(世界一の水準で)安いので、そこまで気にするものではありませんが、配車周りの不便さは改善してほしいものです。以上、ご参考まで。

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