九份は台北からタクシーまたはバスで1時間程度の距離にある観光地。ジブリ映画の”千と千尋の神隠し”の舞台ともなっているので、日本や世界中のジブリファンの観光客が訪れる。実はこの街は、古くは金鉱山として栄えた過去があるが、現在はジブリ映画のような幻想的な景色や九份独特の迷路のような入り組んだ街の構造が楽しめる台湾屈指の観光名所の一つとなっている。
目次
九份ってどんなとこ?
九份の歴史
台湾は元々清朝(昔の中国)の領土ではあったが、日清戦争で当時の日本に支配されるまでは清朝の一部だった。その当時のことを清朝統治時代と呼び、この九份もその時代に造られた。
ただ、清朝から積極的な投資をされてこず、1893年の日本占領時に金が発見されるまでは孤立した村であったことが知られている。金が発見された後は、ゴールドラッシュのために、街は発展の一途を辿ることとなる。
九份の現在
日本統治時の建築物や文化様式は今現在もその多くを残している。第二次世界大戦中は、戦争捕虜収容所があり、捕虜を金鉱山で働かせたという経緯があるものの、戦後において金の採掘量は減っていった。現在は台湾の歴史や文化を残す著名な観光地として栄えている。
特に、1990年代から九份は、台北市内から日帰りで帰ってこれる観光スポットとして注目を集めるようになった。公共の交通機関だと、90分程度の時間で行くことができる。最近では、台湾茶屋、 カフェ、土産物店などが立ち並び、景観が見渡せるところでは美しい海を見ることができる。
九份への行き方
九份へ行く簡単な方法は、台北市内の西門から出発しているシャトルバス等を利用することが挙げられる。午前中に出発して、夕食前に戻ってくることができるため、非常に便利だ。
九份へのアクセス方法は、台北市内からだと主に
- タクシー
- バス
- 電車
のいずれかを用いて向かうこととなる。なお、以下で記載している金額や所要時間については、あくまで2019年7月時点のものであることに留意いただきたい。
タクシーで行く場合
タクシーだと台北市内から片道1,200元(約4,500円)ほど交通費がかかる。時間的には、60分程度で行くことができるが、値段が高くなるのが悩ましいところだろう。
- 乗車場所&降車場所:どこでも可
- 移動時間:1時間前後
- 運賃:メーターであれば1,200元(交渉だと割高価格となる傾向)
また、帰りはさらにやっかいで、メーターで乗車させてくれるタクシーはほぼ皆無となる。2倍近い金額を請求されることや、相乗りを強要されたりするため、十分注意した方がいいだろう。
特に何も考えずに行けるというメリットは大きいものの、値段がネックとなるのは間違いない。
高速バスで行く場合
高速バスは安価で簡単に九份へ行くことができる交通手段の1つだ。
- バス乗車場所:地下鉄 忠孝復興駅前 1062番のバス
- バス降車場所:十分老街
- 移動時間:約1時間
- 運賃:100元(約380円)
バスでの行き方は非常に簡単で、地下鉄の忠孝復興駅(Zhongxiao Fuxing)からバスルート1062番のバスに乗るだけだ。1時間程度の乗車で、運賃は100元。非常に安価にもかかわらず、日本と同じような高速バスで、台北北部の景色を楽しみながら、向かうことができる。
降車するバス停は、九份すぐ近くの”十分老街(Shifen Old Streets)”。往復の時間を考慮しても、午前中に出発していれば、夕食前に台北市内へ戻ることができる。
電車で行く場合
電車で向かう場合、台北駅から瑞芳駅(Ruifang Station)へ北上する電車に乗って向かえばよい。
- 乗車場所:台北駅
- 降車場所:瑞芳駅
- 所要時間:30~50分(瑞芳駅まで)+瑞芳駅から九份までの移動時間
- 運賃:60~80元+瑞芳駅から九份までの運賃
電車の種類によって所要時間や運賃が異なってくるため、注意が必要だ。30~50分という表記をしているものの、あくまで電車の移動時間であるため、台北駅での切符購入から九份到着までの合計時間を考えると、90分程度の所要時間が必要と認識した方がよいだろう。
瑞芳駅からはバスで向かう
瑞芳駅からは区民広場(Local Residents Plaza)のバス停のルート番号827または788に乗って九份へ行くことができる。
九份行きのバス停(200メートルほど駅から歩いた場所)は警察署の隣にあり、反対側のバス停に乗ると台北行きとなる。なお、週末限定ではあるが、ルート番号825も運行しており、そちらを利用することもできる。おおよそ15分程度で九份に到着することはでき、バス運賃も15元と非常に安価だ。
瑞芳駅からはタクシーで向かう
正直、距離も短いのでこちらを利用した方が良いだろう。こちらも10分~15分程度で到着することが可能だ。タクシー運賃は固定で205元。そんな高額ではないので、時間節約のためにも利用することをお勧めしたい。
台北に戻る際は、ルート番号1062のバスを利用して、饒河街観光夜市(Raohe Night Market)を楽しむのが良いだろう。
九份の楽しみ方
具体的に何かしなきゃいけないような場所でもなく、街全体の雰囲気や風情を楽しむのが九份での1番良い過ごし方なのかなと思う。食事処や休憩処も多いので、ゆっくり過ごすとよいだろう。
大部分の観光スポットは、九份小学校と九份警察の間の豎崎路(Shuqi Road)の石畳の歩道に沿って集中している。豎崎路に垂直に走る3つの道路には、様々な土産店、レストラン、カフェなどが連なっており、見て歩くだけでも楽しめることだろう。
なお、九份自体はマニアックな場所を除けば、そこまで大きい観光スポットではなく、1~2時間もあれば十分楽しめるスポットだ。夜には映画の雰囲気のような幻想的な街並みになるので、ぜひ夜に訪れることをオススメしたい。
九份での宿泊は可能?
ほとんどの観光客は日帰り旅行として九份を訪れる。一方で、一部の旅行者は九份のブティックホテルやB&Bなどで1泊宿泊して戻る人もいる。九份のゲストハウスやホテルは数が限定的ということもあり、また台湾の人気観光地でもあるため、宿泊での観光を予定する場合には早めの予約をした方がよいだろう。
九份のマイナー観光スポット
日帰りでは難しいかもしれないが、九份に宿泊するのであれば、周辺地域の観光スポットを巡ってみるのも良いだろう。例えば、
- 基隆山(Mt. Keelung)のハイキング
- 悲情城市小上海茶樓でのティータイム
(九份が観光地になるきっかけとなった映画「悲情城市」の舞台になったレストラン) - 新北市立黃金博物館(the Gold Museum)、金瓜石(the neighbouring Jinguashi)の見学
- 昇平劇院(the Shengping Theatre)の見学
- 九份風箏博物館(the Jiufen Kite Museum )の見学
- 九份ランタン祭り
- 廟口夜市(Miaokou Night Market)
(台北駅へ戻る際の区間車で戻る前に立ち寄るとよい)
九份の帰り道は注意
実は、九份は帰り道が非常に混雑することで有名だ。というのも、多くの人は日帰りで来ているため、夜の景色を見た後、一斉に台北市内へ戻ることとなる。
そのため、乗換えなしで台北へ戻れるバス停はかなりの人が並ぶこととなるので、帰りの時間は注意した方がよい。若干時間を早めるなど、ラッシュに巻き込まれないようにするのがポイントだ。
また、先にも記載したが、帰りのタクシーはメーターではなくほとんどが交渉制になるため、かなり割高な運賃を請求されることがある。2,000元以上を要求してくるケースもあるため、注意しておきたい。
なお、当然ながらUberは九份付近では全く走っていない。
まとめ:台北観光行くなら一度はぜひ訪れてみては?
九份は日本だけでなく、世界中から観光客が集まる台湾屈指の観光スポットだ。幻想的な景色だけでなく、台湾の文化的建築や台湾文化も一度に味わえることから、一度は訪れても損はないだろう。
交通機関についても、バスを活用すれば十分日帰りも可能だ。先日訪問した際も、午後3時過ぎに台北を出発して、午後4時過ぎに到着。そこから九份の散策を楽しみ、午後9時に台北へ戻ってくることができた。
気軽に行ける日帰り旅行先として、台北観光の1日を費やしてみると、より台湾旅行が充実したものになるだろう。以上、ご参考まで。
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