マイホームを購入する際に住宅ローンを利用される方は非常に多いかと思います。住宅ローンを受けるためには金融機関から審査を受ける必要があり、その審査に必要な書類はかなり多いことも有名ですね。実際に初めて住宅を購入する際には、何もかもが初めての経験となり、かなり負担がかかる作業となってしまいます。今回は住宅ローンをスムーズに進めるために、予め審査に必要な書類が何か紹介したいと思います。
目次
住宅ローンの事前審査の必要書類
住宅ローンの審査は事前審査と本審査の2段階あります。通常、購入したい物件が見つかった際には事前審査を申し込んでおき、購入の目途が立った際に本審査に進むというのが比較的一般的な流れと言えます。
事前審査に必要な書類は基本的に2点のみ。
- 物件概要
- 前年度収入等の情報
これらだけで住宅ローンの事前審査を行うことが可能です。
その1 物件概要(住宅チラシでOK)
物件情報を登録するものとしては、住宅チラシや一般の住宅情報サイト(SUUMOやHOMESなど)の概要ページがあればOKです。今は住宅ローンの事前審査はすべてインターネットで申し込むところがほとんどであるため、部屋の間取り、広さ、築年数、物件価格、住所などの情報を入力できるこれら住宅チラシがあれば事足りてしまいます。
その2 前年度収入等の情報
住宅ローンを借り入れる人の情報が事前審査では必要となってきます。職業、勤務先(自営業である場合には業種等)、前年度収入、現在の貯蓄額や自己資金がいくらか、住宅ローン以外の借り入れがないかどうかなどの情報を登録することとなります。
なお、上記2点の資料以外に、金融機関によっては、本人確認書類(運転免許証、健康保険証等)のコピーを提出することが求められる場合があります。
住宅ローンの本審査の必要書類
事前審査で融資可能と判断された場合には、本審査へ進むこととなります。事前審査よりも必要書類は多くなり、審査期間も長くなることが一般的です。
- 本人確認書類
- 源泉徴収票(確定申告書類または過年度決算書)
- 納税証明書
- 住民票の写し
- 重要事項説明書(コピー)
- 不動産売買契約書(コピー)
- 登記簿謄本(コピー)
- 物件場所がわかる地図
- 印鑑証明書
- その他必要となる書類
専門性の高い職業(医師など)である場合はそれを証する書類
その1 本人確認書類
こちらは言わずもがな。本人確認書類として、免許証、健康保険証の片方または両方が必要となってきます。外国籍の方は、在留カードや特別永住者証明書、配偶者が日本人であることを確認する書類などが求められることもあります。
まぁ、外国の方の場合、キャッシュで購入されるケースが結構多かったり、母国の融資を活用したりなど、敢えて事務手続きが複雑な日本の住宅ローンを利用しなくてもよい現状があるのでかなり状況は違うのではないかと。
その2 源泉徴収票(確定申告書類または過年度決算書)
住宅ローン本審査の場合は、事前審査で登録した内容を証する書類として源泉徴収票(1年分)の原本の提出が必要となります。個人事業主の方の場合は過去3年分の源泉徴収票が必要となります。また、法人を設立している場合は過年度決算書(過去3年分)などの収入情報を証明する情報が必要となります。
サラリーマンであっても2年度分の源泉徴収票が必要な場合も
借入先の金融機関(例えば、楽天銀行)によっては源泉徴収票を過去2年度分、提出を求めてくる場合もあります。さすがに私が過去本審査を受けた先で3年度分の提出を求めてきた金融機関はありませんでしたが、複数年度の提出を求められるケースがあることは覚えておくと良いでしょう。
事前に電子化をしておくと便利
ちなみに、サラリーマンの方であれば源泉徴収票は勤務先が年に一度発行しているかと思います。PDFでの提出となる場合もあるため、あらかじめ電子化しておくとその後の対応が楽になるかと思います。
その3 住民税課税証明書
こちらも課税関係書類として提出が必要となります。住民税課税証明書という書類はあまり馴染みがないかと思いますが、公的機関やマイナンバー対応のコンビニコピー機で発行することができます。
コンビニで発行した方がお得
公的機関の窓口で発行すると、1部300円ですが、コンビニコピー機だと1部200円で発行できるため、マイナンバーカードを活用した方がいいですね。複数の金融機関に本審査を申し込む場合には、こちらの書類も複数部必要となるため、あらかじめ複数準備しておくと良いでしょう。
その4 住民票の写し(金消契約時のみの場合もあり)
課税証明書と同じく公的機関が発行する書類です。こちらもコンビニで発行できるため、発行料金の安いコンビニでの発行を推奨します。
所有権移転・抵当権設定時は新住所の住民票が必要
なお、住宅ローンの本審査で住民票が必要となるだけでなく、所有権移転登記および抵当権設定登記の際(すなわち住宅ローンの契約時=金消契約時)にも行政書士へ提出する書類として必要となってきます。
実務的には、所有権移転/抵当権の設定を新住所で登録することが一般的かと思いますので、住民票を移してから新たに発行する必要がある点は留意しておくべきでしょう。
つまり、本審査は旧住所の住民票をあらかじめ提出し、行政書士や契約締結時には新住所での住民票を提出するという段取りとなりますね。慣れていれば、そこまで複雑ではありませんが、初めての住宅購入だとかなり戸惑うかと思います。
入居する世帯全員(家族全員)の記載・続柄がある住民票が必要
もう1点。住民票の写しの記載では、世帯主全員を記載するか、続柄を記載するか、マイナンバーを記載するかの選択が可能です。通常は転居する世帯主全員分の住民票が必要であり、世帯主全員かつ続柄の記載がある住民票が望ましいと思います(金融機関によって必須ではない場合もあります)。
マイナンバーは記載しないものを発行する
また、マイナンバーが記載されていると、個人情報であるため、金融機関で保管することができず、受け取りを拒否されてしまうケースもあります。あらかじめ住民票の発行時は注意した方がよいでしょう。
もし記載ありで発行してしまった場合には該当部分を黒塗りにするなどひと手間掛ける必要があります。
その5 重要事項説明書等の物件情報
こちらは不動産売買(手付金支払い)をした際に渡される書類となります。ネット銀行で郵送しなければいけない場合、自分でコピーを取らねばならずかなり面倒です。
個人的な意見として、店舗のあるネット銀行(メガバンク等の店舗がある金融機関でも可)などで書類一式をコピーしてもらうのが非常に楽かと思います。
必要書類は物件によって異なる
注文住宅などの場合には建築基準法に適合しているかどうかを示す以下のような書類が別途求められます。
- 平面図、間取り図
- 検査済証(新築の場合など)
- 建築確認申請書
- 建築確認通知書
これらも基本的には物件購入の契約時に合わせて入手することが可能です。重要事項説明書とセットで保管していれば、提出に苦労することはないかと思います。
その6 不動産売買契約書(コピー)
こちらも重要事項説明書と同様に不動産売買時に控えとしてもらった書類となります。やはりページ数もありますので、金融機関の店舗にてコピーしてもらうのが良いでしょう。
その7 登記簿謄本(コピー)
登記簿謄本も重要事項説明書、不動産売買契約書と同様ですね。あまり見慣れない書類となるため、知識のある担当者に書類を見てもらいつつ、コピーをしてもらうのが良いでしょう。
その8 物件場所がわかる地図(必要ない場合も)
いずれの金融機関でも物件場所がわかる地図の提供を求められます。もしかしたら例外があるかもしれませんが。意外に普通の地図ってなかなか見つからなかったりするので、本屋などで用意する必要があるかもしれません。
ただ、今の時代、Google Mapを見れば物件場所や外観までわかりますので、実は提出しなくてもお咎めのない資料のひとつだったりします。金融機関によって、対応は異なるため、一概には言えませんが予め用意しておくと便利な資料のひとつです。
その9 印鑑証明書&実印
住宅ローンの本審査の段階では、印鑑証明書はいりません。正確には、住宅ローンの金消契約締結時に実印を証する印鑑証明書の提出が求められています。住宅ローンの契約は正式名だと「金銭消費貸借契約兼抵当権設定契約」というのですが、この契約締結時に印鑑証明書が必要となるわけです。
本審査申し込み時に実印と印鑑証明書が必要であると記載している住宅情報サイトもありますが、実務的には契約時に必要となるのが通常です。このあたりの準備時期については、本審査申し込み時にあらかじめ金融機関担当者へ相談しておくのが良いでしょう。
実印の準備は早めに!
なお、住宅ローンで使用する「実印」ですが、三文判やゴム印など大量生産されている印鑑は一般的に使用できません。私も物件購入時にフルネーム入りの印鑑を作成しましたが、1週間程度かかり、さらに市役所・区役所で印鑑登録する必要もあるためスケジュールには注意が必要です。
その10 その他必要となる書類
基本的には上記9種類の書類があれば、基本的に問題ないかと思いますが、職業や特殊な事情がある場合には、さらに必要書類が増える可能性があります。例えば、専門性の高い職業(医師など)をされている場合には、資格証明書の提出が必要となります。
また、フラット35、フラット35Sなどのローンを申し込んでいる場合には、物件の適合要件が満たされているか証明する書類が必要となってきます。この辺も予め準備をしておいた方が良いでしょう。
まとめ:必要書類の準備は早めに行うこと
住宅ローンの事前審査は早くて1営業日程度で終えることが可能ですが、本審査については必要書類がすべて揃ってからどんなに早くても1週間、一般的に3週間程度かかると言われています。
私自身はかなり慣れていたこともあり、一部の金融機関において本審査申し込み時から本審査の結果通知まで1週間で終えることができた経験がありますが、感覚的には3週間前後必要となってくるケースがほとんどでしょう。
住宅購入申し込みから住宅ローンの契約まで2ヶ月以上かかることは通常であり、自分の住みたい家を見つける以上に大変な作業となる人もいるかと思います。今回の記事が誰かの有益な情報になってくれればと思います。以上、ご参考まで。
今回は住宅ローンの事前審査を受ける際に直面するトラップについて紹介したいと思います。昔と比べると驚くほどスムーズに進められるようになった住宅ローン審査ですが、今でも決して一筋縄ではいかないのも事実です。特に、不動産購入未経験者の方は十分注意した方がよいでしょう。住宅ローンの事前審査住宅ローンを申し込む手順として、 住宅ローンの事前審査 住宅ローンの本審査 抵当権設定等の行政書士との面談 住宅ローン契約の締結 住宅ローンの融資実行のような段階的なステップを踏まえて、住宅ローンを受けることができ… 住宅ローンの事前審査で知っておきたい7つの事実 – 万国旅行塾・読書塾 |
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