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「だるい」の語源は”Dull”なのか

ときどき耳にする「だるい」の語源は何かという話。実は近年のクイズ番組ブームの中で、「だるい」の語源は英語の”Dull”であるかどうか、のような問題が出されたりすることがありました。なかなか笑ってしまいそうになる話なのですが、今回はこちらのテーマを雑学として取り上げたいと思います。

「だるい」の語源

まず、「だるい」の語源が何なのかを整理してみましょう。

【だるいの語源・由来】

「だるし」は「たるし」を語頭濁音形にした語で、マイナス要素を含む語のため、語頭が濁音化したと考えられる。 方言に「たるい」が広く分布しているのも、元が清音形であったからであろう。 「だるし」は「たるむ」「たゆむ」と同源で、「みたる(身垂る)」の形容詞化「みたるし」からと思われる。

語源由来辞典

そもそも「だるい」の語源は「たるむ」「たゆむ」に由来します。古語だと「たゆし」という言葉で現在の「だるい」が表現されており、万葉集や源氏物語で使用されているんですよね。そのため、外来語などではなく、日本古来の言葉なのは明らかです。

正直「だるい」の語源は明らかなので、結論は見えているのですが、英語の方も確認しておきたいと思います。

”Dull”とは何か

英語の”Dull”の定義と語源を見ていきましょう。

Dullの定義

No.1 Lacking interest or excitement.

No.2 Lacking brightness, vividness, or sheen.

No.3 (of a person) slow to understand; stupid.

https://www.lexico.com/en/definition/dull

意味は日本語の「だるい」に非常に似ていますね。「興味や興奮が欠如している」「輝きが足りない」「愚かな・理解の遅い」という意味を持っています。No.3はともかくとして、No.1は日本語の「だるい」に近い意味合いですね。

例文
Too much bed makes a dull head.

「過度な休息は人を愚鈍にさせる」といった意味ですね。英語のことわざの一つですが、日本語にぴったり来る言葉を知らないので、意訳として挙げておきます。

ところで、”Dull”の語源についても確認をしておきましょう。

Dullの語源

Old English dol ‘stupid’, of Germanic origin; related to Dutch dol ‘crazy’ and German toll ‘mad, fantastic, wonderful’.

https://www.lexico.com/en/definition/dull

英語の方の語源を見てみると、オランダ語における”Dol”、ドイツ語の”Toll”から派生しているようですね。英語もラテン語由来の言葉が多いのですが、ラテン語に影響を受けるドイツ語を経由してさらに影響するケースとも言えます。いずれにせよ、英語の”Dull”自体も外国語由来ということは確かなようです。

なぜ”Dull”が語源のように誤解されたのか

色々と推測の域を出ませんが、「音が似ている」ことから「だるい」の語源を”Dull”と誤解した、と考えられます。かなり安易ですね笑。

社会人や一般常識を持ち合わせている方であれば、「だるい」の語源が古典で出てくる「たるし」からの派生であることを知っていることも多いでしょう。その一方で、学生さんなど、外来語のひとつとして勘違いしてしまったケースはそれなりにあるのではないかと思います。

その勘違いを誰からも否定されず、自分で調べず、そのまま大人になってしまった場合には、ずっと誤解したまま認識しているケースも多いのかなと。

誤解されてもおかしくない別の理由

実は別の理由として、日本語の中にある外来語由来の表現が多数あることが挙げられます。例えば、「サボる」がその一例です。

【サボるの語源・由来】

サボるは、フランス語の「sabotage(サボタージュ)」を略した「サボ」の動詞化。 サボタージュとは、故意に仕事を停滞させたり、過失に見せかけ機械を破損するなど、経営者に損害を与えて解決を促す労働争議の戦術のひとつ。

語源由来辞典

「サボる」はフランス語の”Sabotage”から派生した言葉です。こういう例もあるため、「だるい」という表現も外来語が語源であると誤解してしまったのかもしれません。

まとめ:「だるい」の語源は「たるし」から派生したもの

今回はただの雑学ということでしたが、意外とこういう勘違いは身近なところに結構あったりします。もちろん英語由来でなく、フランス語由来、ドイツ語由来など事情が全く異なっているため、より誤解されやすいものとなっているのかもしれませんが。

また、こういう気になった雑学は書き留める程度の気持ちで書いていこうと思います。以上、ご参考まで。


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