新社会人に伝えたい元銀行員が教える7つの貯蓄術

毎年4月になると、電車にも新社会人と見られるパリッとしたスーツを着て出社する若者がちらほら見られるようになりました。社会人になりたての頃は、貯蓄法などについて、全く考えもしませんでしたが、最近では、多種多様な貯蓄法が出てきています。貯蓄は、人生設計と切っても切れないテーマですので、新社会人の方は一度真剣に考えてみるとよいのではないでしょうか。今回は、金融業界で長年働いてきた経験から、一般的な貯蓄法から、ちょっとマイナーな貯蓄法まで幅広く紹介をしていきたいと思います。

新社会人に伝えたい7つの貯蓄術

その1 一般財形貯蓄

財形貯蓄というものはご存知でしょうか。一般企業に勤めているサラリーマンの中には、会社の福利厚生の一環で財形貯蓄制度なるものを導入している会社は多いのではないでしょうか。一般的に財形貯蓄とは、給与天引きで積立ができる制度であり、用途に限らず引き出すことが可能です。

財形貯蓄に係る利息は一般的な普通預金、定期預金の利率よりも有利と言われています。ですが、財形貯蓄は会社と金融機関の契約によるもののため、一般の都市銀行・地方銀行の預金利率とほとんど同じ場合もありますため、過度な期待はしない方がよいでしょう。

○給与天引であるため、知らず知らずのうちに貯蓄が可能
○通常の預金のように用途に限らず引き出すことが可能
×積立開始日から1年間は払い出しを行えない
×勤めている会社が財形制度を導入していないと利用できない

財形貯蓄については、こちらの記事に詳しく記載しています。

日本の年金制度シリーズ② ~財形貯蓄制度~

その2 財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄

財形貯蓄の中には「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」という種類もあります。「財形年金貯蓄」は、老後資金のための積立てができる制度であり、「財形住宅貯蓄」はマイホーム購入資金を積み立てることができる制度となっています。

これらは、5年以上の定期的な積立が必要となってくることや、口座残高の引出要件が限定されている点に注意が必要です。一方で、その代わりと言ってはなんですが、利息部分に係る非課税措置を受けることができます。

なお、転職や退職した場合には、積立が一定期間中断し非課税措置を受けられないケースもあることや、利率が通常の定期預金同様に非常に低い水準である点は留意しておきたいところです。

○給与天引であるため、知らず知らずのうちに貯蓄が可能
○利子等に対する非課税措置を受けられる
○マイホームを購入する際に、財形持家融資と呼ばれる融資制度を利用することができる
×転職や退職(専業主婦等)した場合には、積立が一定期間中断し非課税措置を受けられないケースも

その3 貯蓄型保険(養老保険等)

解約返戻金があるタイプの終身保険や個人年金保険等、様々な商品が市場にはありますね。

一般的な終身保険であれば、毎月保険料を払うことで、満期までの死亡保障を付加させつつ、満期到達時に一時金または分割払いとして受け取ることができます。積立方法や受け取り方など、豊富な種類がある上、税制優遇(生命保険料控除または個人年金保険料控除)も受けることができます。

ただし、満期に到達する前に途中解約してしまう場合、商品によっては元本割れを起こしてしまう商品があることや、インフレリスクに対応していない商品がある点には注意したいところです。

○死亡保障・障害保障付きの商品もあり
○税制優遇(生命保険料控除・個人年金保険料控除)を受けられる
×中途解約により元本割れの危険性
×インフレリスクがある

その4 国債や社債等の購入

日本銀行によるマイナス金利導入が世間を騒がせたことはご存じの方も多いかと思いますが、貯蓄法として債券に投資することは一つの選択肢としてお勧めします。

個人向け国債は、3年物、5年物、10年物と販売されており、証券口座を保有していれば個人で購入することが可能です。日銀がマイナス金利を導入したとはいえ、個人向け国債はプラスの金利を保っており、銀行預金と比べても単純な利回りでは優位と言えます。(とはいっても、2020年3月現在、販売されている国債の利率は0.05%と非常に低いのは残念な話です・・・)

また、社債に投資するという選択肢も貯蓄法として考えられます。開設している証券口座によって購入可否がわかれますが、国債よりも有利な利息がつくことが多いですね。なお、社債の格付け、発行する会社の財務情報等を参考にすれば、比較的安全な投資方法と言えます。若干、知識や分析が必要な面もありますが、勉強も兼ねて、興味ある方にはお勧めできます。

注意
なお、外国債券については利率が高いことが魅力的なのですが、為替変動リスクが関わってくることや国内の債券市場と比べてデフォルトリスク等が高くなるため注意が必要です。
○預金利率と比較すると高い利回り
○満期まで保有すれば元本保証
×社債はデフォルトリスクが存在(国債ももちろんあり)
×一部のネット銀行と比較すると利率が悪かったりする

その5 株式等の購入(NISAでの積立)

実は、株式を購入するという大胆な貯蓄術もあります。もちろん銘柄や相場環境によってはハイリスクとなり、元本は保証されないどころか、資産のほとんどを失ってしまう危険性もある方法のため、十分注意したい貯蓄法です。

ただ、最近の株式投資はミニ株・プチ株といった非常に小さい金額から売買できるようになっていることや、ある程度の株式を保有していると株主優待券を受け取れるなど、低金利な現代だと非常においしい特典があるのも事実です。

一概にどの株がよいということは決して言えないため、貯蓄の一部を株式に充てて運用するのも、マーケットを勉強するという意味でもよいかと思いあmす。

株式を代表的に記載していますが、マーケットを勉強するという意味では、投資信託を積み立てる方法や、金地金(金、銀、白金)に投資するのも世界的な経済の動きを理解できます。ポートフォリオの一部としてこれらのハイリスクなものに投資するのもよいかもしれません。

注意
証券会社での売買においても、特定口座(源泉徴収あり)でのやり取りであれば確定申告も不要となり、税務上も非常に楽に投資を行うことが可能です。ただし、金地金の現物購入である場合、総合課税となるため、譲渡所得を確定申告しなければなりません。金ETFなどは申告分離課税となるため、税務上の取扱いが異なる点に留意が必要です。
○株主優待券等のお得要素
○実際に株式投資することでマーケットの勉強になる
×価格変動によるキャピタルロス

その6 iDeCo(個人型確定拠出年金)

今でこそ、それなりの知名度になってきたiDeCoをご存じでしょうか。個人型確定拠出年金と知られるiDeCoなのですが、誰でも掛金が所得控除の対象となる税制優遇を受けた年金制度です。

具体的なメリットを挙げると、小規模企業共済等掛金控除による税制優遇が受けられることや受け取り時は退職所得控除(または公的年金等控除)を利用することができます。

しかし、原則60歳まで口座残高を引き出せないことや(掛金に)拠出限度額が設けられているため、将来の老後資金目的以外では利用することができません。

○掛金は全額小規模企業共済等掛金控除
×原則60歳まで引き出せない
×拠出限度額あり

その7 普通預金・タンス預金

あらゆる手続きが面倒くさい人こそ普通預金をすべきでしょう。貯蓄をする社会人の中には、どんなに利率が低くても元本保証でいつでも引き出したいというニーズもあるかと思います。そんな人は、(これまでどおり)銀行口座に預けておくのが一番無難かつ安全かと思います。

メリットは、元本保証(1千万円まで)といつでも引き出すことができる利便性ですね。

一方で、デメリットは極めて低い利率であることや、給与天引きというわけにもいかないので、貯蓄をする強い意志が必要となります。

なお、定期預金となると、利便性というメリットが大きく損なわれるため、短期のものならばまだしも10年程度の長期定期預金では、本来のメリットがあるとは言い難くなってきます。

細かい手続きなどほとんどいらない場合も多いため、なんとなくお金が余れば貯めておくスタイルの人こそ合っているのかもしれません。

普通預金は2020年3月現在、0.001%(大手都市銀行)、0.100%(ネットバンク)となっていますので、既にネットバンクの口座を持っている人やネットバンクに抵抗がない人は、多少利率のよいネットバンクを利用した方がお得と言えます。

○特に何も手続きもいらない。給与が振り込まれるのを待つだけ。
○1千万円まで元本保証される
×低利率(ネットバンクなら多少高い)
×貯蓄を成功させるには強い意志が必要

まとめ:どうやって貯蓄するだけのお金を確保するか

ここまで7つの貯蓄術を簡単に紹介してきたわけですが、最も重要なのは「何で貯蓄するか」よりも「どうやって貯蓄するだけのお金を確保するか」であることは簡単に想像がつくのではないでしょうか。

もし読んでる方が新社会人ならば、手取りの1割でもいいので貯蓄する癖を早めにつけることが、貯蓄をする一番の近道だと思います。以上、ご参考まで。

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