住宅ローンの事前審査で知っておきたい7つの事実

今回は住宅ローンの事前審査を受ける際に直面するトラップについて紹介したいと思います。昔と比べると驚くほどスムーズに進められるようになった住宅ローン審査ですが、今でも決して一筋縄ではいかないのも事実です。特に、不動産購入未経験者の方は十分注意した方がよいでしょう。

住宅ローンの事前審査

住宅ローンを申し込む手順として、

  1. 住宅ローンの事前審査
  2. 住宅ローンの本審査
  3. 抵当権設定等の行政書士との面談
  4. 住宅ローン契約の締結
  5. 住宅ローンの融資実行

のような段階的なステップを踏まえて、住宅ローンを受けることができます。この中で事前審査は、住宅ローン手続きの初期段階であり、非常に重要な手続きであるのは確かです。今回はその住宅ローンの事前審査で知っておくべき事実をご紹介します。

ちなみに、不動産購入経験者の方ならほぼ知っていることですが、初めて不動産購入をされる方の場合は目から鱗だったりするので、これからの人は知っておくと良いでしょう。

その1 物件購入申し込みの前から事前審査はできる

住宅ローンの事前審査は、物件購入の申し込みをする前からできます。物件購入の手続きの流れの中で、購入申し込みという段階があるのですが、この購入申し込みをする前段階、すなわち、物件概要のチラシを見ている段階から、購入の事前審査をすることが可能というわけです。

ちなみに、物件の事前審査をしたからといって、物件を購入できるようになるわけではなく、購入できるかは売主または不動産販売会社との契約であるため、直接的に関係があるわけではありません。ただ、一般論を言うと、物件の事前審査をしており、すでに承認が下りている購入希望者の方が優先されることは確かです。

その2 物件購入が決定した後では間に合わない?

不動産購入の流れの中で、購入申し込みをしてから、売買契約書を結ぶことになりますが、実は売買契約書を結んでから事前審査を進めようとするとスケジュール的に間に合わないケースがほとんどです。

具体的な事例で示すと以下のようなケースを想像してみてください。

  • 8月1日に物件の購入申し込み
  • 8月8日に物件購入の承諾返事
  • 8月15日に売買契約書の締結
  • 9月30日に物件の引き渡し期限

上記は中古マンション購入時のタイムラインではありますが、売買契約書の締結から物件の引き渡し期限まで6週間となります。実務的に住宅ローン契約の締結から融資実行日(事実上の物件の引き渡し日)まで少なくとも2週間程度は必要になるため、どんなに遅くとも9月中旬までに住宅ローン契約の締結をする必要がでてきます。

住宅ローン契約の締結には、融資実行日や関係者へ支払う金額の明細を確定させる精算書の作成などの事務手続きがどうしても必要となってくるため、本審査を9月上旬には終えていないと難しいことになります。

実は、事前審査~本審査までにかかる日数は少なくとも3週間程度は必要と一般的には言われており、上記のケースだと8月8日までには遅くとも事前審査の申し込みをしておかないと間に合わないことが予想されます。

その3 事前審査は何社も申し込んでOK

住宅ローンの事前審査は基本的に何社でも申し込んでOKです。特に決まりはありません。

というのも、ひとつの金融機関だけに申し込んで必ず住宅ローンの承認をしてもらえる訳ではないため、事前審査の段階では複数の金融機関にあらかじめ事前審査を申し込んでおくのが一般的と言えます。

また、複数社申し込む理由としては後述いたしますが、審査基準や適用金利など金融機関によりばらつきがあることも挙げられます。

もし事前審査を検討されているのであれば、大手金融機関、ネット銀行、不動産会社提携の金融機関、勤務先が提携している金融機関などそれぞれで申し込みをするとよいでしょう。

その4 事前審査が通っても本審査が通る訳ではない

事前審査の位置づけは金融機関によってだいぶ異なります。事前審査をほぼ本審査と同条件で審査する金融機関もあれば、簡便的な条件判定のみで本審査へ進める金融機関もあります。

事前審査では、基本的に申し込み物件概要の情報や購入者の返済能力(前年の収入やその他の債務状況などから判定)を勘案して審査が行われます。

一方で、本審査の場合、不動産売買契約書、重要事項説明書の他、課税証明書などの公的書類などの提出は必須となり、審査以外に適切な書類が準備できるかという観点も含めてより詳細な審査が実施されることとなります。

その5 事前審査のスピードは金融機関によってバラバラ

実は一番やっかいなのが、事前審査のスピードが金融機関によってばらばらである点かもしれません。私も過去複数の金融機関に住宅ローンの相談をしてきましたが、事前審査のスピード感は本当にばらばらで大手だろうとネットだろうと一概な言い方ができません。

例えば、メガバンクのりそな銀行は事前審査の申し込みから事前審査結果の通知まで約1週間かかります。しかも事前審査結果は郵送で伝えられるため、かなり時間差があるのは否めません。物件を見てから事前審査をしてだと、いい物件の場合先に買われてしまう可能性も高いでしょう。

一方で、同じくメガバンクのみずほ銀行は事前審査の審査結果は申し込み後の翌営業日には結果がオンラインポータル(みずほ銀行が提供している住宅ローン専用サイト)で確認ができます。同じメガバンクなのにここまで差があるのは、実際利用してみて私も驚きました。

ネットバンクの場合もかなり差が表れます。有名ネットバンクである住信SBIネット銀行は、こちらも事前審査から1週間ほどで審査結果の連絡を受けることができます。一方で、楽天銀行の場合、翌営業日~翌々営業日で審査結果の連絡をオンライン上で受けることができます。

人件費を抑えているネットバンクであっても、あまりメガバンクとスピード感が変わらないのは覚えておいて損はないでしょう。

その6 事前審査の審査の厳しさも金融機関によってバラバラ

本審査とも関連する話となってしまうのですが、審査基準は金融機関によってバラバラです。もちろん金融機関に伝える情報は、物件概要情報と購入者の所得や負債状況であることは共通していますが、どれくらい融資が可能なのかという点は独自の審査基準を設けているのが一般的です。

通常、多額のカードローンやクレジットカードのキャッシング枠設定がある場合や個人信用情報などで傷があるケース(例えばクレジットカードの代金支払遅延など)は融資条件に大きな制限がかけられる可能性があります。

金融機関によって頭金の必要有無やその金額水準など一定の条件を課しているケースも多く、承認が下りないというケースだけでなく、厳しい融資条件が付帯してしまうケースもあります。

その7 広告の金利が必ず受けられる訳ではない

審査条件とも密接に絡むポイントで希望の住宅ローン金利が適用される訳ではない、という点も覚えておきたいですね。

金融機関が電車の中吊り広告やネット広告などで最安金利と謳っている住宅ローン適用金利には条件が付されているケースが多数あります。有名なところで、

  • 住宅価格の20%を頭金として用意する条件
  • 物件そのものに対する条件(築年数や広さなど)

が挙げられます。両親などから多額の贈与を突然受けられる場合などを除けば、住宅を購入する際にどうこうできる話ではほぼないため、条件が付された場合にはほぼ諦めざるを得ないかと思います。ネット広告の金利が安易に受けられると信じてはいけませんね。

まとめ:住宅ローンの事前審査はとにかく早めの準備が大事

住宅ローンを契約するまでの最初のステップである事前審査ですが、思っている以上にトラップが多いのも事実です。現在では、ネットから諸情報を打ち込むだけで審査申し込みはできるため、かなり楽になっているのは確かですが、1件あたり30分程度(初回は40~50分くらい)かかるかもしれません。

複数の金融機関に申し込めば、それだけでやり取りをする回数も増えますし、かなり精神的負担感は増えてしまいます。

スケジュールの問題もあって、住宅ローンの融資実行まで進むためには事前審査申込日から2か月程度かかるのが一般的です。私自身は本審査など書類準備に慣れていたこともあり45日程度で済ませることができましたが、当初金融機関担当者からはスケジュール的に難しい旨を宣告されていました。

いずれにせよ購入したい物件が決まったら、すぐに事前審査を進めることをお勧めいたします。以上、ご参考まで。

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