DC法改正案解説その3(DCの運用の改善)

確定拠出年金(以下、DC)の法改正については、これまで「企業年金の普及・拡大」「個人型DCの加入可能範囲の拡大」のそれぞれについて記事にしてきた。最後となる今回は「DCの運用の改善」について詳しく見ていきたいと思う。

~これまでの解説記事~
DC法改正解説その1(企業年金の普及・拡大)
DC法改正解説その2(個人型DCの加入可能範囲の拡大)

これまでのDCの運用規制は何がダメだったのか

今回、DC法で規制している運用関連のルールについて大幅な見直しが行われることとなったわけだが、そもそもこれまでのDC法の運用規制は何が問題だったのだろうか。現状のDC制度の仕組みを簡単に確認しておこう。

現状のDC制度の仕組み

DC制度は、事業主や加入者本人が拠出した掛金を個々の加入者が株式や債券といった運用商品を自己の判断で選択した上で運用し、その運用結果に基づく年金を老後に受け取る退職給付制度だ。老後までの間の運用結果が将来の給付金額を左右するため、加入者一人一人の運用商品の選択が重要となってくる。

DC法では、加入者が運用商品を選択する際に適切な投資判断ができるように、事業主が「投資教育」を実施すること最低でも3つ以上の運用商品の提示義務を課すなどのルールを規定している。なお、この運用商品は「確定拠出年金運営管理機関」と呼ばれるDC制度の運営を委託できる金融機関によって選択できる商品が異なってくる。

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(出所:確定拠出年金法等の一部を改正する法律案(概要))

DC制度の運用について何が問題だったのか

一部の加入者は継続的に投資知識が得られない

DC制度を導入する際には、事業主は加入者に対して投資教育(導入時投資教育)を実施することがDC法により課せられている。これはDC法上では「努力義務」として規定されており、実際に2013年度の導入時投資教育の実施率は100%となっている。

しかし、制度導入後に繰り返し実施する投資教育(継続投資教育)については「配慮義務」として規定されており、継続投資教育の実施率は55.2%という数値となっている。導入時に投資教育を受けたものの、その後の投資関連の知識を得る機会が乏しい加入者が一定数存在するのが実状だ。本来は、老後までの長期的な運用を考慮すると定期的にポートフォリオの見直しをする必要があり、さらには日々変化する投資環境についても知識を拡充することが望ましいと言える。

運用商品提供数の増加、商品の入れ替えが困難な現状

現在、事業主が提供する運用提供商品数は増加傾向にある。2007年に平均15.1本の商品数であったが、2013年には17.4本にまで増えるなど、年々増加していることがわかる。半数以上の企業では商品提供数が16本以上であるなど、加入者の選択肢の幅が広がっているのが現状だ。

しかし、行動経済学の知見によれば、消費者の金融商品購入にあたって、選択すべき項目が増えたり、選択肢が多すぎると、選択自体が困難になることがわかっている。

また、消費者が合理的であれば、金融商品や金融機関などの選択肢が増えれば、それだけ自分のニーズにマッチした商品選択ができやすくなるはずである。

しかし、実際には、商品性の複雑化によって、選択すべき項目数が増えたり、一つの項目の中で提示されている選択肢数が多すぎたりすると、消費者は、無意識のうちに選択を遅らせたり、「選択をしない」という判断を行ったりしてしまう傾向がある。

消費者がこのような行動パターンに陥りやすい状態を、行動経済学では「情報過多」ないし「選択肢過多」と呼んでおり、その背後には、複雑な思考プロセスを回避しようとする行動バイアスが無意識のうちに働いているとされている。
出所:「行動経済学の金融教育への応用の重要性」(金融広報中央委員会平成24年3月)

ただ、いたずらに増やすことは推奨されてはおらず、「加入者が個々の商品内容を吟味しつつ、より良い商品選択を行うこと」が重要と考えられ、ある程度の商品数の抑制が必要と提言されている。

また、現行法では、運用商品を除外する際は商品選択者全員の同意が必要で、商品の入れ替えが事実上極めて困難という実情があり、運用環境の整備面において事業主がコントロールできていない状況下だ。

物価上昇を上回る資産運用ができない恐れ

DC制度の加入者の運用利回りについては、その半数以上が2%以下となっており、特に0%~1%の者が約45%を占めている。

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(出所:厚生労働省 第13回社会保障審議会企業年金部会 資料)

最近10年間の物価上昇率は概ねマイナスであり、デフレ状況が続いてきた。こうした環境下では、例えば、利率の低い預貯金で運用した場合でも、資産が目減りせず実質的な資産価値を維持することができたため、元本確保型商品に投資することも一定の合理性があったと考えられる。
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DC制度の運用商品の構成を見ると、約6割が元本確保型商品(預貯金に4割、生損保商品に2割)に集中している。つまり、事業主がラインナップしている運用商品(加入者が選べる商品)の中の6割が元本確保型の低利回りの商品となっていることがわかる。

内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」や日本銀行の「経済・物価情勢の展望」によると、今後消費者の物価上昇率が上昇していく見通しが示されている。日銀がマイナス金利を導入したりするのは、物価上昇目標が設定されており、政府主導で物価を上げていこう!というスタンスがあるのだ。

そのため、従来のデフレ環境下と同じような資産構成で運用した場合には、積立資産の実質的価値が減少していってしまう。少なくとも将来の実質的な資産価値の減少を防ぎ、老後の備えを確保するためには、より適切な運用商品の選択を促し、物価上昇率を上回る運用収益を確保していく必要があることが指摘されている。

どのような改正案となっているの?

現状の問題点を踏まえ、DC加入者の運用環境や教育環境を改善するべく具体的に以下のような改正措置が盛り込まれている。大きく以下の5つに分けられる。なお、今回の改正の施行日は「交付の日から2年以内で政令で定める日」とされており、具体的には政令が出されて確定することとなる。

・継続投資教育の努力義務化
・運用商品の提供数の抑制
・運用商品の除外要件の緩和
・運用商品の提供義務の改正
・指定運用方法に係る規定の整備

継続投資教育の努力義務化

今後は、投資教育の継続実施を促し、加入者の投資知識の向上を図るために、今まで実施事業所の事業主の「配慮義務」となっていた継続投資教育が「努力義務」に変更される。

DC制度において長期的に安定した運用を行っていくために、投資教育の実効性を高めることが重要であることは制度導入時より指摘されていた。現状、導入時の投資教育についてはほぼ全ての事業所で実施されている一方で、継続投資教育については実施事業所が全体の約55%という状況に陥っている。

このため、現在、DC法上、事業主の「配慮義務」とされている継続投資教育について、導入時投資教育と同様に事業主の「努力義務」へ変更し、既に加入している者についても投資教育を受ける機会を広げよう!というのが今回の改正の趣旨だ。

実は、継続投資教育については、加入者ごとに投資知識や意識等が異なるため、導入時投資教育のような加入者一律の実施が困難であり、その内容や実施のタイミング等について不安や費用負担への懸念を抱えている事業主も多い。そのため、事業主が継続投資教育を実施しやすいように継続投資教育の基準を通知等で明確化する案が昨年の社会保障審議会において提唱されている。

なお、基準策定にあたっては、事業主の継続投資教育の費用負担等に配慮することが必要と考えられ、中小企業の事業主にとっても負担がかかりにくい施策が検討されている。

運用商品の提供数の抑制

今後は、運用商品の厳選を促し、運用商品を選択しやすい環境に整備するため、運用商品の提供数について一定の制限を設けられる。ただし、具体的な商品提供数は「政令で定める」とされており、法案が通ったあと決定される見通しだ。

海外ではすでに商品提供数の制限が課せられている

諸外国では、加入者への投資教育等といった手法に加えて、加入者の運用商品の選択をサポートする手法として、商品提供数の制限等の対策が講じられてきた。

例えば、厚生労働省の説明によるとイギリスのDC制度であるNESTでは、リタイアメントデートファンド等、対象となる層のニーズ等を踏まえた特性の異なる6種類の商品を用意している。また、チリ、ハンガリー、エストニアでは運用商品数が5~6とされていることが挙げられている。

日本の運用商品提供数にも抑制策(上限)導入

日本の運用商品の提供数は一貫して増加傾向にあり、企業年金連合会『確定拠出年金(制度)に関する実態調査 調査結果』では、平均約17.4本となっている。

分散投資の促進や加入者の選好に応えるため、多様な商品の提示が重要である一方、加入者が個々の商品内容を吟味しつつ、よりよい商品選択を行うことができる程度に商品選択肢を抑えることも重要であり、商品の選択肢は厳選する必要があることが指摘されている。

そのため、選択肢の過度な増加を防ぎつつ選択肢の厳選を促すため、今回の改正により運用商品提供数の抑制(または上限)が導入されることとなった。

なお、第13回社会保障審議会企業年金部会の資料では、以下のようなコメントもある。

諸外国の事例や各種研究等を踏まえれば、提供数は10本以内にすることが望ましいといえるのではないか。ただし、現在の平均提供数(約18本)を踏まえた十分な経過措置等の配慮措置を講じることも併せて必要であると考えられる。

いずれにせよDC制度の運用商品数については加入者が選択しやすいように厳選されることが今後の流れになると言える。

運用商品の除外要件の緩和

これは、DC制度の運営管理機関等の運営規制の改善事項となる。DC制度の運用商品の変更は事実上困難な仕組みであったことから、今回の改正により運営側が適切な運用商品の入れ替えを実施できるようになる。

<改正前>
運用商品を除外する場合、商品選択者全員の同意が必要(転職等をして新たに企業型DCに加入せず運用指図のみを行う者についても同意取得が必要)であり、商品の入れ替えが事実上極めて困難だった。

<改正後>
運用商品の除外要件を商品選択者の2/3以上の同意に緩和される。
※施行日前に納付した掛金の運用方法として提示された商品の除外については、従来どおり全員同意の取得を要するものとする。

運用商品の除外規定を改善し加入者の選択環境の向上へ

企業年金連合会『第4回 確定拠出年金制度に関する実態調査 調査結果』によると、運用商品の除外については90%以上の企業で除外を検討していないが、その理由として、約4割が商品除外をする場合の困難さを挙げている。

企業型DCの商品提供数は増加傾向にあるが、前述したとおり「多すぎる選択肢は選択すること自体を困難にする」という研究結果もあり、加入者の選択環境を向上させるためにも選択肢は厳選する必要があることが指摘されている。

そのような問題点を踏まえ、DC制度の運用商品の厳選を促すため、運用商品提供数に上限を設定することと併せて、より実行性のある運用商品除外規定(商品選択者の3分の2以上の同意)が定められることとなった。

リスク・リターンの異なる3つ以上の運用商品の提供義務

これまでDC制度の運営管理機関等に課されていた運用商品の提供義務とは「少なくとも三つ以上の運用商品の提供」および「一つ以上の元本確保型商品の提供」であった。それらを「リスク・リターン特性の異なる三つ以上」に改正し、分散投資を促す方向性に変更される。

<改正前>
・少なくとも三つ以上の運用商品の提供
・一つ以上の元本確保型商品の提供

<改正後>
リスク・リターン特性の異なる三つ以上の運用商品の提供

なぜ分散投資?

老後に向けて安定した年金資産形成を行うためには個々のリターン及びリスクを持つ金融商品を適切に組み合わせることで、リスクの軽減と、安定的なリターンとのバランスをとることが重要であることが言われている。

すべてを株式で投資すれば運用リスクを取り過ぎている可能性が高いし、逆に債券にすべての年金資産を投資すれば保守的な利回りとなり物価上昇率を上回るリターンを得られない可能性が出てくる。

そのため、年金資産の運用については、その性質上長期にわたる「安全かつ効率的な運用」が求められることから、分散投資によりリスクを低減させつつリターンを追求することは、その重要な要素の一つと考えられる。

リスク・リターン特性の異なる3つ以上の運用商品の提供

DC制度においては、建前ではあるものの加入者が分散投資を行うことを前提として制度の仕組みが構築されてきたという流れがある。その建前の上で運営管理機関等に、「少なくとも3つの運用商品の提供」を義務付けている。

ただし、法律上は、単に「3つの運用商品」としているだけで、加入者の選択に資するような性質の異なる複数の商品(リスク・リターン特性の異なる商品)の提供までが義務付けされているわけではない。

例えば、運営管理機関等が元本確保型商品を3つ提供したとしても法律上の義務は果たされることになる。

そこで、DC法上、単に「少なくとも3つの運用商品の提供の義務づけ」となっている法規定を、「それぞれリスク・リターン特性の異なる三つ以上の運用商品の提供の義務づけ」とすることで、自ら運用商品を選択するような加入者にとってより効果的に分散投資の恩恵を受けることができるようにする。

なお、この規定の整備により、元本確保型商品の提供義務付けは義務ではなくなり、あくまで労使合意に基づく運用商品の提供という位置付けとなる。そのため、今後の企業型DCでは元本確保型商品が選択肢にないという場合も出てくる可能性がある。

指定運用方法に係る規定の整備

「指定運用方法に係る規定の整備」と聞くとあまりピンと来ない話になってしまうかもしれないが、簡単にいえば『選ばないときに自動的に選択される商品(デフォルト商品)について、いろいろルールを変えますよ』ということだ。

前述したように、これまでDC制度に加入したとしても、その中の一定数は「運用商品の選択することを失念してしまう」等により運用商品を選択しない現状がある。そのため、運用商品を選択しなかった場合でも、ある程度の資産運用が可能となるよう最初に自動的に選択されるデフォルト商品をより適切なものにしましょう、というのが今回の趣旨となる。

指定運用方法の概要については、以下のとおり。

・デフォルト運用商品の設定は、営管理機関・事業主等の任意で決定できる
・運営管理機関等は、あらかじめ運用商品の中から一つの商品をデフォルト運用商品として指定し、加入者の加入時にデフォルト運用商品についてその内容を周知する。
・加入者が商品選択を行わない場合には、運営管理機関等は加入者に商品選択を行うよう通知を行う。通知しても商品選択を行わず一定期間経過した場合、自動的にデフォルト運用商品を購入する。
※加入者は、購入前・購入後にかかわらずいつでも別の商品に変更可能
※デフォルト運用商品として選択できる商品については、長期的な運用に資するため、複数商品を組み合わせる等によりリスクが分散された運用方法の指定を事業主に促すため、法令において一定の基準を設定する予定
※施行日前に納付した掛金については対象外とされる

海外のDC制度のデフォルト商品ってどうなってるの?

OECDのDC制度(例えば米国の401kやイギリスのNESTなど)では、運用商品の選択方法においてデフォルト商品による運用方法を活用するケースが多い。

イギリスでは、政府外公共機関であるNESTコーポレーションがデフォルト商品を設定するルールとなっている。また、アメリカでは、政府基準に沿った『適格デフォルト商品』を提供すれば、その商品の運用結果について事業主の免責規定がある。他にもスウェーデン、チリ、オランダなどの国で政府系機関がデフォルト商品を選択することや特定の商品をデフォルト商品として義務付けるなど、政府が関与している場合が多い。

また、いずれのケースにおいてもライフサイクル型ファンドがその対象となっており、デフォルト運用商品の96%を元本確保型商品としている日本とは大きく異なる状況だ。

このような背景には、行動経済学の教訓とともに、加入者が自ら商品を選択せずに元本確保型商品が多いデフォルト商品に投資した場合、運用結果のリターンを十分に得られない(物価上昇率を上回るリターンを得られない)という課題が浮上したことが挙げられる。

行動経済学から言えば加入者の自己責任とは言い切れない現状

元々、DC制度での運用商品の選択については、加入者の自己の判断による選択で運用商品を選択し運用していくことが基本となっている。ただし、人間の限定合理性のため、加入者の自由意思に完全に委ねることが、加入者の老後所得の確保にとって必ずしも最善ではないことが行動経済学上わかってきた。

そのため、DC制度においては個人の選択の権利を一定程度残しつつ、望ましい方向に人々を誘導する手法として、デフォルト手法を活用すべきという意見が国際的にある。

では日本のデフォルト商品はどうなるのか

年金のような長期の運用においては、前述のとおり資産分散・時間分散といった分散投資が基本だ。この点を踏まえると、主要国のDC制度においては、デフォルト商品として長期の年金運用としてふさわしいと考えられる分散投資効果が期待できる商品(ライフサイクル型の運用商品等)が設定されている例が多く、OECDのDCロードマップにおいても、

①適切なDCの投資方針を構築すること
②ライフサイクル型の投資方針をデフォルトとすることを検討すべき

とされている。

ちなみにではあるが、OECD主要国のDC制度において、各国政府が推奨するデフォルト商品として元本確保型商品を設定している例はないようである。

一方で、安全に運用したい者にとって元本確保型商品は必要であるという意見もあるため、実際に自ら意識的に元本確保型商品を選択する者も一定数いることも事実のようである。

これらの事実を踏まえて日本のDC制度においても諸外国と同様に、デフォルト商品の設定については、より年金運用として適切なものの設定を促しつつ、元本確保型商品を自ら望む加入者についてはその選択を可能とする手法が厚生労働省側から推奨されている。

なお、DC法案の段階ではまだデフォルト運用商品について具体的な基準等は述べられていない。

まとめ:これも景気刺激策の一環なのかと思うとやや残念

今回の改正自体は、企業型DC加入者にとってメリットとなるかデメリットとなるかは加入者次第だろう。DC加入者の運用方法がデフォルト運用に偏っており、デフォルト運用のほとんどが元本確保型商品であったため、物価上昇率を上回る運用利回りを得ることが難しい点を指摘されていた。

今回、その部分に変更がなされるため、加入者が何も運用商品を選択しなければ自動的にライフサイクルファンドのようなリスクリターンを勘案したものが設定されることとなり、物価上昇率の達成も可能になってくることとなる。

一方で、これまで元本確保型が国内債券中心の運用であったことから、リスクを取り入れた運用商品へ年金資産が流れるのであるから、今後さらに株式市場へ資金が流れていくこととなる。なんだかDC制度もアベノミクスにいいように動かされている気がしないでもない。これ一つで景気が上向くといったことは決してないが、景気刺激策として裏では動いているのかと思うとなんだか歯痒い気分だ。

さて、今回でDC法改正の解説記事はいったん終了となる。まだ法案が参議院で可決された程度なので、今後より確かな詳細が決まってくることだろうし、またタイミングのよいところで振り返りたいと思う。


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