科学分野の最先端「理化学研究所」の中に潜入してみた

出典:cdn-ak.f.st-hatena.com

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皆様お疲れ様です。TAKUです。貴重な土曜日はゆっくりと家で文章書いたり、ランニングしたり、部屋の掃除をしたりという悠々自適な生活をするのが普段のライフスタイルだが、先日Facebook繋がりの友人経由で「理化学研究所の一般公開があるらしいから、一緒に行かない?」と誘いを受けた。

私は科学および物理・化学に関しては大学受験で知識がほぼSTOPしており、唯一アカデミックな分野の知識で残っているのは純粋数学のみだったので少々躊躇いもあったが、一応理系の端くれとして加速器113番目の元素など興味をそそられるテーマも多くあるため、行ってみることにした。

理化学研究所って何?

理化学研究所はあのSTAP細胞関連の話題で大きく有名になり、知名度を広げたと思うが、本来的には日本屈指の純粋な科学分野の最先端研究機関だ。ざっくりどのような研究機関なのかWikipediaでは以下のように記載がある。

1917年(大正6年)に創設された物理学、化学、工学、生物学、医科学など基礎研究から応用研究まで行う日本国内唯一の自然科学系総合研究所である。国際的に高い研究業績と知名度を持つ研究所であり、日本国外では”RIKEN”の名称で知られている。(Wikipediaより引用)

恥ずかしながら調べてみて知ったのだが、実は創業者の1人として、あの有名な「渋沢栄一」が名を連ねている。NHKの朝ドラ「あさが来た」でも出てきた銀行の神様というお人だ。

また、理化学研究所の有名人としてはノーベル賞受賞者である湯川秀樹朝永振一郎などが研究員として在籍していたようだ。

今回、一般公開で訪れたのは和光市にある本所だったが、他の地域にも研究所はたくさんあるとのこと。バイオリソースセンターがある筑波研究所、生命医科学などがある横浜研究所、生命システム研究などがある神戸研究所など、国内に複数の研究所を持っている。また、国外でもイギリス、アメリカのニューヨーク、シンガポール、中国の北京などに研究拠点が存在する。

脳科学ってスゴイ!

まず最初に訪れたのは「精神生物学研究チーム」が展示している「自閉症の研究の最前線」に立ち寄った。この分野に興味があったから、というわけではなく今日一緒に同行している知人の大学時代の友人がここに勤めているので行ってみよう、となった経緯に過ぎない笑。

主な内容は以下のとおり。

自閉症の病態メカニズムを探るため、自閉症のモデルマウスを作製するなど、様々な手法を用いて心の課題を解明しようと試みています。これまでの私たちの研究成果をご紹介します。

予備知識なしで入ってみたものの説明は一般向けにわかりやすく解説されており、なおかつ研究員がマンツーマンで逐一解説してくれるので、難解な研究内容も比較的容易に理解できた。会話形式で簡単に紹介しよう。

研究員Aさんの話

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TAKU「ここはどんな研究をしているんですか?」

研究員A「自閉症が発症する原因を解明し、具体的にどのような傾向があるのか、どのような解決方法が有効か等を目標として日夜実験を行っています」

TAKU「脳科学という分野で大変だったり難しいと感じる点は何かありますか?」

研究員A「実は一般の方の中には、自閉症と鬱が異なるものと認識されない場合も多いんですよね。同じ脳神経のメカニズムではあるんですが、我々が研究対象としているのは自閉症であるので、よく誤解されることが多いんですよ(アハハハハ)」

TAKU「(ふむ、そうかそうか)」

研究員Bさんの話

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研究員B「せっかくなのでこちら解説させていただいてもよいでしょうか!」

TAKU「ありがとうございます。ぜひお願いします。」

研究員B「自閉症が発症するメカニズムというのはですね、遺伝要因と環境要因の2種類があると言われているんですね。環境要因は薬の使用やたばこ、アルコールや男性の年齢が高いこと(中略)ということで、現在の研究では自閉症の要因はほぼ遺伝要因にあるという可能性が高いと言われてます。」

TAKU「ちなみにこの研究分野のゴールとか目標ってどこになるんでしょう?遺伝要因だと防ぐことそのものが難しいですから、早期発見手法ということでしょうか?」

研究員B「そうですねー、早期発見というのは既に技術的に可能になっているんですけども、現在はいかにコスト面を下げられるかというのが議論になっていますね。」

TAKU「(ふむ、そうかそうか)」

研究員B「実際にこれからはこの技術をどのように使うべきか倫理的な問題も絡んでくるので、難しいですね。ちなみにこの脳科学はよく誤解されやすくて、一般の方は鬱とこの自閉症をよく混同される場合も多いんですよー。」

TAKU「(ふむ、そうかそうか。本当によくある話なんだな)」

脳科学の研究者というか自閉症の研究員の方々は、自閉症と鬱が同類という誤解を受けることがとりあえず多いことを残念がっていた。ただ、みんな結構楽しそうに話すこと話すこと笑。



スパコンHOKUSAIがスゴイ!!

次に注目したのが、理化学研究所の「情報基盤センター」にある「スーパーコンピュータHOKUSAI」!すごくミーハーだが、生でスパコンを見れるという状況であったため、せっかくの機会に見学させていただいた。こちらの展示では以下のような内容となっている。

実際に稼働している新しいスーパーコンピュータ・HOKUSAIとShoubuを間近に見ることができます。また、情報基盤センターの活動に関するパネルを展示、ショートレクチャーを行います。

大人3人が乗り込んでいって「パンフレットがほしいです!」と言ってみたはいいものの、中学生・高校生向けだったらしく、「チケットが余ったら(^^♪」と笑顔で返されてしまった。まぁそれなら仕方ない笑。

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(画面に反射して映っている人は関係ありません)

これがスパコンHOKUSAIらしい。普通のパソコンだとかに比べたらとんでもなくデカいのは確かではあるが、イメージしていたフロア全体をすべてサーバーコンピュータで埋め尽くすようなものではなかったので、意外にコンパクトな印象。以下のようなポイントがアピールされていた。

・合計3万を越えるコア(計算回路)を持つパワフルなコンピュータです!
・稼働2年目で150を越えるプロジェクトが利用中。理研の全分野の研究活動に貢献しています。
・冷却には外気や地下水も一部利用しています。電気の供給は天井から行い今後のシステム更新に対応しやすくなっています。前システムにくらべてコンピュータと冷却システムの総消費電力15%削減、10倍の性能向上を同時に実現しました!

研究員Cさんの話

こちらも会話形式で一部紹介したい。
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TAKU「すいません、冷却装置があるってパンフレットに記載がありますが、どこにあるんですか?」

研究員C「あ、それはねコンピュータ内部に水道管みたいな管を張り巡らせていてそれを使って冷やしているんだよ。ちなみに、暖められた水は屋上の冷却装置で冷やしてからまた戻されるんだ」

TAKU「おお、そうなんですか。なるほど。ちなみにこのコンピュータは全部でいくらぐらいの金額なんですか?」

研究員C「えーっと、金額はいくらだったかな。そうそう、たしか一ヵ月5,000万円だね。富士通さんと契約して利用させてもらってるんだ」

TAKU「(ふむふむ、なるほど)」

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研究員C「このスパコンは今も稼働しているんですよ。左上のグラフを見てもらうとわかるんですが、一番下にあるのが現在実行中の計算プログラムで上の紫色の部分が計算実行待機中の計算案件なんです。緩やかに減ってはいるけど、大きな計算依頼がどんどんやってくるので、ずっとこんな感じです。」

TAKU「計算依頼というのは、どこから依頼されてどんな内容が多いんですか?」

研究員C「ここの理化学研究所の様々な研究室から計算依頼が来るんですよ。電子や中性子の計算や宇宙工学などの複雑かつ大量の計算が必要なんですよね。情報基盤センターとしては、そうした計算が円滑に進むように日々保守点検をするのが、主な役目の一つとなっています。」

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こちらの銀色の箱達も実はスパコンだったりする。Shoubu(菖蒲)という名前らしく、コンピュータ内部に冷却用の液体を流し込んでいるなど、なかなか面白い。主な特徴は以下のとおり。

・フロリナートという電気を通さない液体に基盤を直接浸して冷却する「液浸冷却」を採用することで、超高密度な実装を実現。1曹に100リットルの冷却液が入っています。
・スーパーコンピュータの省エネルギー世界ランキングGREEN500で2期連続世界一に。
(2015年6月期、11月期に認定)
・日本のベンチャー企業がCPUとコンピュータ本体療法を開発したMade in Japanのスーパーコンピュータ。理研は応用に関する研究を担当。

やはりスパコンは見てるだけで面白い!(理系の方ならば、なんとなくわかっていただけるだろうか)

加速器ってスゴイ!!!

お昼を食べた後、友人Davidの待つ「加速器基盤研究部」へ。Davidは残念ながら子供向けの遊戯の監督をしていたため、ちょっとお喋りした程度だったがAcceleratorの話になるとテンションが上がる模様。残念ながらこっちは予備知識もないので、ほとんどわからない。申し訳ないDavid。

というわけで、加速器の研究棟にやってきたわけだが、ここの研究内容はざっくり以下のとおり。

<史上最強の超電導リングサイクロトロン(加速器基盤研究部)>
世界最強のビーム強度を誇るRIビームファクトリーの主役はSRC。その重量は8,300トンで東京タワーの約2倍の重さ。実物でその大きさを実感してください。超伝導コースターなどの展示もご覧ください。
<SAMURAIで斬る(多種粒子測定装置開発チーム)>
高性能分析装置SAMURAIが活躍しはじめています。巨大な超伝導磁石とその周りに配置された実験装置を使って、反応で飛び出した粒子を一網打尽にして、原子核の構造や反応を研究しています。

他いろいろなブースあり。

正直内容を見ても全く理解できず、さっぱりだ。多少不安を覚えつつ中に入ってみる。ちなみに、加速器の設備はすべて地下にあり、もっとも深くて地下7階ぐらいまで深いところで研究が行われている。

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こちらは地下への入り口となっているRIビームファクトリー入口。名前の段階でなんのビームだかよくわからない笑。

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こちらが超伝導リングサイクロトロン(SRC)と呼ばれる設備だ。大きいのは想像していたが、とりあえず4階建てのマンションと同じかそれ以上はありそうな印象。直系18.5メートルということらしく、写真ではあまり伝わらないかもしれないが圧巻の迫力だ。

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こちらは超伝導RIビーム伝導分離生成装置(BigRIPS)。とりあえずめちゃくちゃ長い。蛇みたいに長い。これを使うと多種多様な放射性原子核を人工的に生成し利用することができる、というらしいが残念ながら理解が追い付かなかった。

他にも超新星爆発で発生する不安定な元素の寿命をこの設備で計測するなど、様々な実験に用いられている模様。

地下7階から階段を使って登るのは非常に骨が折れたが、それ以上に圧巻の知識のシャワーで脳みそがヘトヘトになってしまった。(ちなみにだが、地下の上り下りはエレベータがあるが一般公開の日は混み合っていた)

まとめ:また来年も見に行きたい!!!!

これ以外にも紹介できなかったブースをたくさん覗かせてもらったが、今回の一般公開で一番宣伝されていたのは、実は「113番目の元素発見」だった。そんな宣伝を無視して加速器やら3Dプリンタやらスパコンやらを眺めて満足してしまった点はやや少し反省しているが、いかんせん消化不良を起こすぐらいのボリュームがあり、研究員それぞれが異なる科学技術の専門家ということで話がいちいち面白い。以下、一般公開で筆者が感じたことを書いておこう。

・研究テーマも面白いが、研究員のパーソナリティが面白い!

今回解説してくださった研究員の方々には、テーマの解説はもちろんだがそのテーマを研究するに至った経緯についても漏れなく質問させていただいた。「実は他分野の研究をしていたけど、ポストが余ったから」「元々宇宙が好きで、学生時代から海外の化学系雑誌を読んでいていつのまにか」など、なかなか巡り合わせとも言えるし、必然的な理由で働いているという面も聞くことができた。理研の深いところにはもっと面白い話があるのではないかと興味をそそられてしまう。

・学生チームも多く若いうちから貴重な研究環境を体験できる場所になっている!

実はいくつものブースでは学生(といっても少なくとも大学院か博士課程と思われるが)と思しき方と話すことができた。もちろんそこにいるのは東京大学や東京工業大学の研究チームばかりであったが、一般の理系学生があのようなレベルの設備で研究をできるのは本当に貴重な環境だろう。こういった場所につながれるのはやはり教授側に強いコネクション等がないとなかなか難しいとも聞くため、この場に参加することは運も必要と思われる。

・外国人研究者が予想以上に多かった!

訪問した場所のいたるところに外国人研究員がおり、英語でコミュニケーションを取っていた。日本人からすると英語力という壁もさることながら、テクニカルタームを理解することが非常に難しい。しかし、そういった専門分野において海外との競争に勝つためにも、このような日常的に英語が使われる環境というのは、優秀な外国人研究員を誘致するという点も含めて非常に重要である。自分もテクニカルな話は全くついていけないが、いろいろな外国人研究員と交流するのはなかなか楽しかった。

・期待が膨らむ!

来年は来年でまた一般公開は実施されるのだろう。今回とはまた違った研究成果が見られると思うし、まだまだ見切れていない部分も多かった。ぜひとも次回は別分野の研究にも足を運びたい。


あの日


次世代スパコン「エクサ」が日本を変える! 「京」は凄い、“その次”は100倍凄い(小学館新書)

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